約束* (ページ27)

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ダーマ「まぁ、Aは俺たち以外には扱えないよな！」

ダーマが食い気味に口にする。

不器用だけどそれは彼なりの優しさだということを知っている。

A「…ツンデレめッ！」

私の照れ隠しの言葉にダーマがまた言葉を発し、いつもの騒がしさに戻った。

事情があって、今でも連絡をとるような友達はあいりくらいだ。まあ事情といっても自己都合だけど。

言いにくさを察したのか、何も聞かないみんなに救われた。

シルク「はいはい、もういい？(笑) 今日はさ、撮影見てってよ。」

私とダーマに呆れ気味のシルクが、パソコンを見つめながらそう言った。

A「撮影見るの、初めてだ」

間近で楽しそうな姿を見れることが嬉しい。

ぞろぞろと撮影部屋に向かうメンバー。

その後に続いて立ち上がると、足元で小さく鈴の音が鳴った。見ると私を見上げる可愛いチワワ。

歓迎会の日はゲージの中に居たから会えなかった。

A「あ、君がチクワくんだね。初めまして、Aです」

目の前に正座し直し、お辞儀をした。

モトキ「A、何でチクワに土下座してんの？(笑)」

推しからのA呼びは未だにちょっとドキッとする。

そして、恥ずかしいところを見られた…

A「ッえ、いや土下座じゃなくて挨拶を…！」

モトキに弁明してるとチクワが腕の中に入ってくる。

抱きかかえて立ち上がると、モトキを追いかけてマサイも戻ってきた。

マサイ「2人とも何やってんの？」

モトキ「Aがチクワに土下座してた(笑)」

いや、変なやつみたいな言い方しないでよ。

案の定マサイにバカにされる。

マサイ「Aって真面目な話のとき以外バカだよな」

…マサイに言われるとは。

そう言いながらチクワを受け取ろうとマサイが手を伸ばす。

A「ッ…か、わいいからもうちょっと抱っこしてたい」

反射的にそう答えると、

マサイ「あー、そう？いいけど。撮影部屋には連れて来んなよ？」

伸ばされた手が戻っていく。

早く来いよー。

そう言ってマサイとモトキは先に歩いて行った。

…あぶな。

チクワをそっと床に下ろしてあげると、深呼吸を繰り返す。

過去の情景が頭の中にフラッシュバックした。

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