ゆるギャルと不憫。 (ページ29)

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松村家

｢あーくそっ｣

俺ってこんなに優柔不断だったかよ。

さっきから2つのパンツでずっと迷ってる。

白もいいけど黒もいいし。

｢あ、｣

そういえばこの前古着屋でべージュのパンツを買ったんだった。シャツに合いそう。ナイスいつかの俺。

シャツは緩めの派手すぎず地味すぎない俺好みのシャツ。最近のすごいお気に入り。

腕時計をしてと。

｢...変じゃないかな。｣

人と遊ぶこと自体久しぶりだし、女子と遊ぶことが初めてだから慣れて無さすぎて心配になる。

｢...てか気合い入ってるって思われそう...｣

あーなんでこんなガチってんだろ俺...

別に仲いい友達と遊ぶだけだからいくら慣れてないからといっても特別な日でもないし普通と変わらない日だろ。

とか言って、普段ならしない髪までスタイリングしてるし。

橘だから？いやそれはない。

けど、心のどこかで楽しみな俺がいるのも事実だし、この格好に全てが出てる。

｢てか絶対気合い入ってるよこれ｣

あいつオシャレそうだからダサい服着てきたらガチギレしてきそうじゃん。

｢っし、そろそろ行くか。｣

遊園地だから歩きやすいスニーカー。
どれだけ橘に連れ回されてもいいように。

濁りひとつない青。

｢行ってきます｣

やっぱり、今日は特別な日だ