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31Fr ページ33


・凛side



パシャ、パシャ……


誰も居ない静かなプール

月の光が暗い空間を支配しているような夜


そんな中、黙々とプールを往復する影が一つ


飛び込み台の上にはストップウォッチが秒を刻んでいた

周りには綺麗に畳まれた衣服が置いてある


意外と几帳面なアイツらしい。

少し笑ってからストップウォッチを手に取る


……なんか最近、夜に呼び出されるのが多いな


そんな事を考えてたらラストのターンだったのか更に
スピードを上げて帰ってくるのが目に入った

バシャッ……パシッ

壁に手がつくと同時にストップウォッチを止める


凛「相変わらずのタイムだな。唯季」


泳ぎ終わったばかりで肩で息をしている唯季に声をかける


俺を呼び出した張本人だ

唯「……おせー……よ。こんばんは、……凛」


息も絶え絶えに話す唯季

いや、どんだけ本気で泳いだんだよ!?

そんな俺の疑問を汲み取ったのか

唯「別に……。アップしてたらやりたくなった。
凛が遅いのが悪い」

凛「そうか……。って、アップ!?お前何するつもりだ!」


危うく聞き逃しかけたがとっさに聞き返す

当の本人は『それが何か?』的な雰囲気を放っている


唯「……用があるってメールに書いた」

凛「おう」


唯「……凛。お前、水泳部入ったんだよな?」


改めて確認するような調子で淡々と聞かれる
江辺りが話したのか?

凛「まぁな。江から聞いたのか?」

唯「違う……。真琴が電話しただろ?だから」

何で知ってんだ!?
確かに数日前に真琴から電話がきていた

唯「……近くに僕も居たんだよ。
…………凛、僕と泳げ」

呆れたような声を出したかと思えば一転して真面目な声を出す


俯きがちで表情は窺えない

と言ってもコイツはいつも無表情だが


凛「泳ぐのは構わないが……。個メは無理だぞ」


唯「分かってる……。遙の時と同じ、100m自由形」


唯季は静かにだけど芯のある声でそう告げた

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みゃあ(プロフ) - あかりんごさん» そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます<(_ _*)> (2014年8月27日 17時) (レス) id: 1b9d36b128 (このIDを非表示/違反報告)
あかりんご - おもしろすぎww (2014年8月27日 15時) (レス) id: b1a693c859 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゃあ | 作成日時:2013年10月16日 0時

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