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29Fr ページ31





唯「ハハハ……」

口から漏れる自嘲気味な笑い

まさかあんな事聞かれるなんてな……

今はマコの所にいる江を横目に見ながらさっきの事を
思い出す


『どうして唯季さんは水泳部に入って無いんですか?』


恐らく、江は普通に疑問だったんだろう
プールにいつもいる僕が入部してない訳を

唯「純粋が罪ってこう言う事か……」

天「何か言った、三弥さん?」

唯「いえ。何も」


思わず口に出してしまったらしい言葉は天方先生に聞こえていた

……まだ居たのか。

天方先生に向けていた視線を目の前のフェンスに戻す

水泳部、か……

入って無い理由を説明するのは簡単だった
ただ一言、

「もう、全力では泳げないから」

なんて言えば済むことだ

江が凛の妹じゃなければ

最悪なのは江、凛経由で―まだ会ってないが―空に伝わることだ

あとは僕が思い出したくないだけ

「泳げないから」、なんて言ったら「何で?」となるのが
普通の反応だ


それを説明するのはかなり面倒臭いし、僕が話したく無い


まっ、江には「女子一人じゃねぇ……」とか適当に誤魔化しておいた

唯「いつまでも逃げる訳には行かない、か」


もう一度マコ達の方へ目をやる

何か話してる……?

聞こうとすれば聞こえるけど盗み聞きはな……

真「江ちゃんが水泳部、入ってくれるって!!」

渚「ホント!?やったー!!これで水泳部の設立だね!!」

弾んだ声で話す二人に嬉しそうな顔をするハル

良かったな、皆

一人離れた所で傍観する

すると

江「唯季さんも入りますよねっ!」

眩しい程の笑みを湛えて江が近くに寄ってくる

……はぁ!?

渚「えっ!!そうなの、ユイちゃん!?」

いやいやいや!!

江に釣られてか、子犬のように迫ってくるナギ

唯「落ち着いて。何でそういう話になってるんだ」

江「え?だって、女子一人だからってさっき言ってましたよね?私が入りましたし……」


…………まさか自分で墓穴を掘るなんて

キョトンとした顔で此方を見詰めてくる
その隣ではナギが目を輝かせている


真「いいんじゃないの?また一緒に泳ごうよ」

ニコニコしながら手を差し伸べてくるマコ

いつの間に近くに来たんだっ!

遙「唯季」

静かな声で名前を呼ばれる

逃げ場……無し、か

唯「……分かった。入部する」


なんて言えば、嬉しそうな声をあげる


ナギに至っては抱きついてくる


真「これで皆揃ったね!!」

……こんな事になるならさっき盗み聞きしとけば良かった

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みゃあ(プロフ) - あかりんごさん» そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます<(_ _*)> (2014年8月27日 17時) (レス) id: 1b9d36b128 (このIDを非表示/違反報告)
あかりんご - おもしろすぎww (2014年8月27日 15時) (レス) id: b1a693c859 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゃあ | 作成日時:2013年10月16日 0時

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