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やっときた返信は無難で短いもので、私は怖くなってスタンプを押して会話を終えてしまった。
重くて面倒なのはダメでしょやっぱり。
脈ないんかな、そりゃ人気者だし、私は二人で話したことはないんだけどね…
悲しくなって大学の食堂で突っ伏していると、いい匂いがした.ちらりと覗くと目の前に美味しそうな定食が置かれている。
美味しそうだなーって思って顔を上げると、
そこにはまさかのその人だ。
「え、理子ちゃん…?」
まさか大学内で会えるなんて思いもしなくて、叫びそうになった。口を押さえた。
「ん?理子やん、二人知り合いなんですか?」
そしてその隣には水上颯。彼は呑気に美味しそうなラーメンを運んできた。
「こ、こんにちは」
「ライン以外で話すの久しぶりだね…なんか緊張する」
「そうですね!」
「バンドもめてない?大丈夫?」
「わりともめてますね〜相変わらずです」
私の想い人、伊沢さんは軽音サークルの先輩だった。初めてライブでOBとして会った時にその笑い方に一目惚れして、頑張ってラインを送った。
その後、クイズノックや東大王に出ている伊沢さんにどんどんはまっていって、今ではヘビー級のファンでもある。
「実はクイズノック見てますよ」
「わーーありがとう!すげー嬉しい!どれが好き?」
もうファンとして伊沢さんと話せて嬉しかった。
毎日スマホの中で動いていた人が、目の前にいる。
あの声を生で聞けて、あの笑顔を生で見られて、眼福極まりないのだ。
「すごいファンじゃん、俺感激しちゃうな」
「いつも楽しみにしてます!」
その時、ずっと静かにラーメをすすって話を聞いていた颯が、急に話始めた。
「俺、理子とは飲み友なんですよ」
ちょっと待って、この子は何を言い出すの。
伊沢さんの顔つきが変わった。さっきまで終始笑顔だったけれど、少し気の抜けた顔をしたのだ。
「結構飲むの?」
「こいつは飲みますね」
「水上が言うってことは相当だ」
「まあ俺には負けますけど。この間も朝まで飲まされて…」
「ま、待って待って」
颯がいたずらっぽい笑みで「なに?」と問いかけてくる。
何から言っていいのかわからず口を開けたまま声が出ない。
伊沢さんは真顔でふーんと言った。
「理子ちゃんって上品なイメージあったから結構意外」
ああ、これは終わったかも…
「じゃあ今日三人で飲みしよ」
え?
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Å - 面白いです!。お話のつづき楽しみに待ってます! (2018年11月3日 21時) (レス) id: eec85e62da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月1日 7時) (レス) id: 90f88fea4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふすま粉 | 作成日時:2018年11月1日 3時