【H×H】幸福と不幸Ⅶ【キルア】 (ページ10)

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297話ページ10

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私達はナックルを宿のベッドに寝かせて練の特訓を始めた。

しばらくして、パチッと目を開けたナックル。

ゴン「あ、目が覚めた？」

ナックルは体を起こしてゴンの方に目線を移し、口を開いた。

ナックル「思ったよりやるじゃねーか。少しばかり見くびってたぜ…」

すると、ナックルは布団の中に手を入れてモゾモゾと何かを探る。

ナックル「何で取らなかった？」

ゴン「え？」

ナックル「割符

取って俺なんか放っときゃ良かっただろが」

ナックルはそう言って割符をゴンに見せる。

ゴン「俺達は割符が欲しいんじゃないよ

真っ向勝負でナックルさんを倒す実力が欲しいんだ」

ゴンはそう言うと、「1つ聞いていい？」とナックルを見つめた。

ナックル「オーウ、何でも聞けコラ」

最後の「コラ」は余計だと思うんだけど…
そう思いながらゴンの質問に耳を傾ける私。

ゴン「どうしてビーストハンターになったの？」

するとナックルは目を瞑り、何かを考え込んだ。

ナックル「話すと長ェな

イヤな事も思い出さなきゃなんねェし」

ゴン「じゃあ何で今回討伐隊に志願したの？」

ナックル「簡単に言うと、討伐させねェ為だな

ハグれモンを切るっていうやり方が気に入らねェ
師匠にゃ甘いって言われるがな

実際にそいつを見もしねェでわかる道理ねーだろ？
まずはそいつと真剣にぶつからなきゃよ

手前はいい奴だ。

ぶつかり合えばそれがわかんだよ」

ゴン「ナックルさんもね」

ゴンはそう言って、モゾモゾと動く布団を指差す。
すると布団の中から犬が出てきて、ナックルを見つめた。

ゴン「ずーっとナックルさんの側を離れなかったよ

いいハンターは動物に好かれるんだって」

そう言うとナックルは犬を見つめ返し、涙を流した。

『何泣いてんのさ、あははっ！』

ナックル「バッ、馬鹿野郎‼泣いてねーぞ‼
誰にも言うなよ殺すぞコラァ‼」←