【H×H】幸福と不幸Ⅶ【キルア】 (ページ37)

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322話ページ37

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密入に成功した私達は、森の中を歩いていた。

『…村だ』

キルア「ん、小さいな」

小声で会話しながら、村を観察する。

ゴン「どうする？」

キルア「忍び込む」

私とゴンは目を見開き、キルアに大丈夫なのかを問う。

キルア「ナマの情報が欲しいんだ。データはいくらでも集めておいたほうがいい」

ザザッ、と小さな崖を降りて「待ってて」と手を振った。

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しばらく待っていると、キルアが私達に手を振ったので崖を降りた。
家に入るが誰もいなく、もう首都に向かったのかと思ったが…

『…何かあったんだね』

私は壁に背をつけている椅子を退かす。

キルア「ああ…それを隠してる

かなり雑なやり方でね」

私達は村から出て森の中を進むと、ザザザ…という音がしたので茂みから覗く。

『骨…』

キルア「穴が浅くて野犬に掘り返されたんだな。おそらく村人全員ここに埋まってんな」

私達はその穴をじっと見つめる。

ゴン「一体…どういうこと？」

キルア「国民大会の真の目的はこれだ」

ゴンはクエスチョンマークを浮かべ、眉間にシワを寄せる。

キルア「町や村の人間がある日突然一斉にいなくなっても不自然じゃない状況…‼

"選別"はもう始まってる…‼」

選別について話し合いながら、森の中を歩く。
ゴンは「でも…」と口を開いた。

ゴン「よく考えたら500万人を殴って回るわけだよね。国中を」

キルア「ああ…

仮に1%が生き残っても5万人が奴等の兵隊になる計算だ」

ゴン「そうじゃなくて、その前の話

いくら10日、いやあと9日か
あるとしても、500万人を期間内に"選別"しようとしたら、選別する方も凄い人数が要るはずでしょ？

1人の能力者が10日間1万人の国民を"選別"したとして……

え～～～…」←

キ「『500人』」

そう言ってジト目でゴンを見る私とキルア。

計算は相変わらず苦手なのね;;

『念能力を持つ兵隊蟻がそんなに沢山いるはずがないってこと？』

ゴン「うん」

『私もそう思う。でも多分簡単だよ』

私はカイトを思い出し、眉を寄せる。
選別者が念能力を使えなくなって、別にいい

だって…

キルア「操ればいい」

ゴン「…‼」

私とゴンは下を俯く。

キルア「おそらくあいつの能力

単純なオート操作も出来るし、ゲンスルーみたく相当数の人間を同時に動かせるはず」