【H×H】幸福と不幸Ⅲ【キルア】 (ページ23)

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118話ページ23

《…よぉゴン

やっぱりお前もハンターになっちまったか
それで一つ聞きたいことがある

お前オレに会いたいか？

会う気があるならこのまま聞いてくれ…もしその気がないなら停止ボタンを押せばいい》

ゴンは停止ボタンを押さずにジッと待つ。

《……"イエス"ってことか。それじゃもう一度聞くぜ

覚悟はあるか？

ハンターってやつは手前勝手なもんだ

自分が欲しいもののために他の物を捨てていく》

『……』

《「できれば会いたい」って程度の気持ちならここでテープを切っといたほうがいい

１分やろう》

１分が経過し、ジンが再び話し出す。

《……ふーー、そんなに会いたいか

オレはお前に会いたくない》

「「『！』」」

ジンはその理由に話し、最後に

《捕まえてみろよ、お前もハンターなんだろ？》

そう言うと、ゴンは笑みを浮かべてジッとしていた。

キルア「ふふん、お前の親父も一筋縄じゃいきそーもねーな」

ゴン「うん」

『じゃ、止めるよ？』

私は停止ボタンに手を伸ばすが、ゴンに「待って」と言われたので引っ込める。

ゴン「ジンはまだそこにいる」

《……

あー、一つ言い忘れてたぜ。お前の母親についてだ

知りたければこのまま聞いてくれ

別にいいなら》カチッ

ゴンが停止ボタンを押して、ジンの声が聞こえなくなった。

『え、ゴン…いいの？』

ゴン「うん」

キルア「でももしかしたら何か手がかりがあるかもしれないぜ」

するとゴンは立ち上がり、扉の方へ歩きながら言った。

ゴン「ないよ、多分。勘だけど

それに言っただろ、俺の母親はミトさん！」

「ご飯食べよ！」とゴンが扉に手をかけた瞬間、ラジカセからキュルキュル…という音が聞こえて私はそちらを見る。

キュルルル‼‼

キルア「ゴン！止めたテープが勝手に動き出したぞ！」

『これ…念だよ！念でテープを巻き戻してる！』

カチッと音がして、今度は録音が始まった。
それを止めようとゴンがコードを抜くが、録音は止まらなかった。

キルア「悪いなゴン！壊すぜ‼」

キルアがラジカセを投げてグーでパンチし、ラジカセは壁に激突するが傷一つ付かない。

キルア「…ダメだ、念でガードしてる」

録音が終了し、ラジカセからは音が聴こえなくなった。

再生ボタンを押すと、先程のキルアの声で上書きされていた。