【H×H】幸福と不幸Ⅲ【キルア】 (ページ14)

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109話ページ14

私の手がピタリと止まる。

……キルアだ

名前は覚えている
けれど、顔は………

私はキルアの顔を確認するために、後ろを向く。

あれ……そんな顔だったっけ？

…そうだったかな

でも…キルアが私の友達なら______

『今のうちに、殺しておかなきゃ』

私はキルアに飛び掛かり、押し倒す。

キルア「っ…‼」

私のナイフを持った手が勝手に動き、キルアの心臓に刃の先を当てる。

あれ…？何でだろう

涙が止まらない

殺したくない…？

嫌だ

嫌だ

殺したく、ない

それでも私の体は言う事を聞かず、キルアの心臓を刺そうとしている。

そして何故か、キルアは抵抗せずに私を見つめていた。

『キルア……私、皆の顔…忘れちゃった

さっきもゴンの顔と名前を忘れて…

その前にクラピカとレオリオの事も忘れていた

そして………キルアの顔も…』

私の目から勝手に出てくる涙がキルアの服を湿らせる。

『もう二度と殺したくないのに…

さっき2人も殺した
今だって‼キルアの事を殺そうとしてる‼

嫌だ…こんな自分、もう嫌だ

だから_______』

私は、

.

自分の心臓を刺した

キルア「…なぁ、おい‼何やってんだよ‼

A‼‼」

『キルア…

私、キルアの事…誰よりも

好きだ………よ』

私はキルアの上に重なるようにして倒れた。

_______彼が私の名前を叫んだのを最後に、私の意識は飛んだ