【H×H】幸福と不幸Ⅲ【キルア】 (ページ13)

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108話ページ13

『は、はぁ…はぁっ』

どうしてどうしてどうして…‼

私が既に壊れていることは知ってた‼
でも…でもッ‼

こんなに早く、友達の事を忘れてしまうなんて…

私は2人の顔を必死に思い出そうとしても、頭に浮かんでこない。

嫌だ…嫌だ嫌だイヤダ‼‼

ドンッ

私は人にぶつかった事にも気づかず、そのまま歩き出す。

「おい‼人にぶつかったら謝れって親に教わんなかったか？嬢ちゃん」

『……』

「おい‼‼」

ザシュッ

「が…ァ‼」

体が勝手に動き、気づくと私は男の心臓を突き刺していた。

『今…近づくと、殺す…

って…もう死んでるか』

私は再び歩き出す。

ゴン「A？」

誰かが私を呼ぶ声がする。
私はそちらを見ようともせず、足を動かす。

ゴン「A‼」

ガシッ、と誰かが私の腕を掴む。

振り向くと、そこにはツンツン頭の男のコが私の腕を掴んでいた。

『…なんで私の名前を知ってるの？

答えないと、殺す』

私は男の子の首にナイフを当てる。

ゴン「え…？どうしちゃったの⁉」

『いいから答え……

.

…ぁ』

また忘れていた

この男の子の名前は…ゴンだ

私にとっての光だった存在

私の、トモダチ

私はそっとナイフを下ろす。

『…ごめんね！私ちょっと寝ぼけてたみたい』

私の目から、涙が溢れ出そうになる。
私はそれを堪えて走り出した。

ゴン「A‼‼」

.

.

「嬢ちゃん、こんな夜中に何してるんだい？」

1人の男に話し掛けられるが、無視をしてその横を通り過ぎようとする。

「つれねぇなあ？」

私はその男に両腕を掴まれ、顔を近づけられる。
鼻息が荒い、汚い、気持ち悪い

そうだ、コイツを殺そう
私の能力のエサになって…？

『「±0」』

グサ

その男の体から真っ赤な血が溢れる。

グサ

「グぁ‼‼」

グサ

私は何度も何度も男の体を切り刻む。

『ぁはッ！あははははは‼』

あの日と、同じ光景。

笑いながら、母上を殺したあの日と。

『明日も…』

グチャ

『幸せで』

ビチャッ

『いられますように______________

.

キルア「A‼‼」