十二 ページ13
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"狩られる側"とはどう言う意味かを問われたが、適当にはぐらかしてグレイトスタンプを仕留める作業に入った。
鼻デッカ…
恐らく弱点の額を隠すためなのだろう。
生物の進化ってすごいな…
『ッとりゃ‼』
足に思いっ切り力を入れてグレイトスタンプの額を蹴ると、いとも簡単に倒すことができた。
私は地面に着地する体制に入る。
スタッ
ピキッ
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『いッたぁぁあ‼‼⁉』
着地した瞬間、足首から音がしたかと思えば電流が走るような痛みが私を襲った。
私はそのまま座り込み、足首を抑える。
『うぅ…変な蹴り方したからかな…
それとも飛躍距離が高すぎて…?
ホント骨脆すぎでしょ…
マジで痛すぎる…』
私が1人項垂れていると、背後から足音がしたので咄嗟に振り返った。
キルア「何座り込んでんだよ?」
『……キルア…』
一番見つかりたくない奴に見つかった…
すると、キルアは自分の足首を抑えている私の姿を見て一瞬目を見開いたが、すぐにニヤついた。
『……何』
キルア「いやー?別に?
それよりソイツ倒したんならさっさと焼こうぜ」
コイツ……‼私が足首痛めたの知ってて…‼
いいよ…立ってやる‼普通に歩けるし‼
そう言って無理やりその場に立ち、グレイトスタンプを引っ張ってキルアの元へ歩く。
右足を引きずりながら歩いている私を見て、キルアは深い溜息を吐いた。
そして後ろを向きしゃがみ、両手の掌を後ろに差し出した。
この体勢…まさかとは思うけど…
キルア「ん」
『いや「ん」じゃねーよ
何?私がキルアにオブられるわけ?
そんなの絶対無理、恥ずかしいし』
いいよ自分で歩くから、とキルアの横を通り過ぎた次の瞬間
グイッ
『へぁっ』
突然腕を掴まれた為驚き、思わずグレイトスタンプを離してしまう。
ヒョイッ
『⁉‼』
体が宙に浮く感覚と共に、背中と膝の裏に違和感。
そして目の前にはキルアの顔があり、そのことに驚いた私は口をポカーンと開けた。
キルア「これならいいだろ?」
キルアの言う"これ"とは"姫抱き"のこと。
『レベル…高く、なってる…っ』
少し顔を赤くしながらそう言う私は、
胸が高鳴って、
心が暖かくなるような、苦しくなるような…
そんな不思議な感覚に陥っていた。
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しゃーぺん@彩(プロフ) - ももさん» ありがとうございます!幸福と不幸に比べ、この作品は結構短めになりますので、この作品が終わり次第幸福と不幸の短編集作成を考えています!もしよければそちらの方も宜しくお願い致します! (2019年5月30日 23時) (レス) id: 0a0b323a42 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 幸福と不幸から見てます!今回の作品も本当に良くて毎日毎日楽しみにしてます!! (2019年5月30日 18時) (レス) id: ed24bd7751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃーぺん@彩 | 作成日時:2019年5月15日 23時