33話 過去編 ページ34
あれから2年後、私は12歳になった。
あの後のことは覚えておらず、ただ覚えていることは…
私が、みんなを殺してしまったということ。
近所のおばさんやおじさんにも同じ事をされた。
いきなり背後から殴られたり、ナイフで切りつけられたり。
だから、その度に私はその人達を殺した。
みんな結局は、私の能力を利用したいだけだったんだ。
…ずっと、みんなの偽りの優しさに騙されていたんだ。
絶望し尽くした私の目には、光など宿っていなかった。
ある日のこと。
仕事から帰ってきた母上は、どこか様子がおかしかった。
母上がおかしくなった日とあまりにも様子が似ていたため、私は体を震わせながら部屋に閉じこもっていた。
ドンドン‼‼
私の部屋の扉を叩く音がする。
「A…話したいことがあるの……」
ドンドンドン‼
『っひ…‼』
ドンドンドン‼‼
ドンドンドンドン‼‼
一向に止むことのないその音は、恐怖を感じている私を煽るのには十分すぎて、私の体はガクガクと震えていた。
「A…
Aッ‼‼」
母上の叫び声を聞いた私はすぐに扉を開け、部屋の外に出た。
『母上…すみません、暗殺の特訓に集中していて気づきませんでした』
私は咄嗟に考えた言い訳を母上に言う。
「それならいいわ…
それより、A…
お金が必要なの
約100億ジェニー」
『…すみません、私の能力ではそんなお金…』
「わかっているわ
だから私、考えたの」
私はなんとなく嫌な予感がして、身構える。
「……貴方を殺しちゃえばいいのよ
貴方を殺せば…100億以上の金額が手に入る」
ふふ、と母上は妖しげに笑う
「私の幸福のために、死んでよ」
次の瞬間、母上は私に向かってナイフを振り下ろしてきた。
私はそれを咄嗟に避け、距離を置く。
「何で…
何で私の言うことを聞けないの‼⁈
何で私だけ不幸なの‼⁉
何であの人は出て行ったのよぉ‼‼」
大きな声で、泣きながら叫び続ける母上を見て私は動揺していた。
『母、上…』
その一瞬の隙を狙われ、私は壁に追い込まれる。
「早く…早く私に幸福を……頂戴」
グサッ
私の腕を刺す母上。
『……
不幸なのは私の方よ…ッ‼‼』
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しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» そう言ってもらえて嬉しいです！投票ありがとうございます！ (2020年8月10日 22時) (
レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - しゃーぺん@彩さん» イベント参加ご協力感謝致しますこの作品一番好きなので投票させて頂きました！ (2020年8月10日 22時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» 了解です！ (2020年8月10日 22時) (レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - しゃーぺん@彩さん» 嬉しいです画面にそのままペースト、もしく通常検索すれば出てくると思います。 (2020年8月10日 21時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» 是非参加させて頂きます！！お誘いありがとうございます！ (2020年8月10日 11時) (レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃーぺん@彩 | 作成日時：2019年1月30日 21時
