獣臭い【wr】 (ページ4)

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、

最悪や。しくった

珍しくメンバーが全員集合できたってのに

この女子達のせいで、まるで普通に過ごせない

「キャぁー！！格好いっ！！！！」
「写真撮ってくださーいっ！！」
「ちょ、押さんといてって！！！！」

開けた屋上だというのに、

俺等を囲むのは

異様にスカート丈が短く、ケバい女子達

先輩たちも全員ウザったそうにしていて

雰囲気は最悪

オレは巻き込まれたくないために

颯爽と”擬態”を解いて、屋上から飛び降りた

壁から出っ張る窓際の手すりを伝って

最後の一歩

体育館倉庫の上に飛び降りたときだった

足に激痛が走ったと思えば

次に見たのは自分の赤い液体

「ッ…」

痛いし、地面とはまだ距離がある

動こうにも動けない現状で絶望していた時

やってきたのは一人の女生徒

…屋上に行ってない女子が居たんだと

驚きながらも、身を隠して様子を伺った

そいつは、どっこいしょ。なんて婆臭い掛け声と共に

座って、今日発売と噂だった焼きそばパンを

食べ始めた

まるで、上の騒ぎは聞こえないふりを

しているような、そんな素振り

何時までもジッとしている訳にも行かず

典型的な鳴き声で助けを求めた

すれば、俺とその怪我に

驚きながらも立って手を伸ばしてくれる

はよせぇ。なんて、何処か先輩の気を感じる

下品な言い方に安心したのか、

意を決してそいつの胸に飛び込んだ

『動いたらアカンでー』

そう言う其奴の膝で、

足に雑ながら巻かれていく真っ白のハンカチ

すげぇ…なんか、座り心地ええな

すぐにも動けず、此奴も特段気にした様子ない為

モゾモゾ動いて俺はリラックスし始める

何時もなら、人は極力避ける俺だったが

なんでか、此奴には絆されてしまった

挙げ句、此奴は『生徒会に惚れるなんて馬鹿らしい』

とか何とか愚痴り始めて

流石にフラつきながらも逃げた

なんや。彼奴。

まぁ、多分また会いに行くけど

名前とか、また調べとこかな

はー、先輩がうるさくなりそう

＿