獣臭い【wr】 (ページ1)

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＿＿＿キーンコーンカーン…

「ん、もうこんな時間…？
　じゃ、今日はここで終わりまーす。各自昼食ー」

先生がそう言ったところで

途端に騒がしくなる教室

私も盛大に散らかったプリントやら鉛筆やらを
机に掛かっているバッグに無理やり詰め込み

一息つく

「Aー！今日こそ行こうー！！」

ボケーっと、スマホを取り出せば

後ろの席から同時に甲高い声

メイク中の友達から、また”あの”お誘いである

『えー嫌』

「え”、ねぇー！！昨日は行くって言ったやんー！」

『気分ちゃうし、面倒くさいわーん』

ムキーッと、チークがついた筆を振り回す友達

あーあ

ほら、隣のメガネに付いたやん可哀想(見過ごし)

友達はまだ納得行かないのか

リップ片手に私の目の前まで回ってくる

いやまぁ、普通に断るけど

「いいやん別に！付き合ってよぉー！一人で行くの心細いのぉー！！」

『んなこと言ったって、嫌なもんは嫌や。一人で行け』

何が嬉しくて、

『私が”生徒会の食事姿”拝みに行かなあかんの。馬鹿』

「格好良いねんて！！ほら！！見たら分かるから！
　今日は全員部活もないから集合するらしいねん！」

【生徒会】

という名義でこの一応学校のトップだが

見せかけだけのアイドルもどきだと私は推測している

顔よし、スタイルよし、財力よし

というイカれステータスを保持したイカれた集団

他校の女子生徒からも熱狂的なファン数が絶えず

度々問題を起こしているトラブルメーカー

そして今日は珍しくもそいつらが全員集合。

(女子同士の)血塗れ案件間違い無しだし、普通に嫌や

『嫌や。私は今日初見の焼きそばパン買ってくるから
　いってらっしゃい。下から見とくわ』

「えぇえーーーー！！！！！！」

グイグイとパーカーを引っ張ってくる友達を離して

向かうは食堂

生徒会なんかより飯だよ馬鹿野郎

＿

白渚 A / 17

高校二年生

食事こそが至高で崇高

家での暇時間を筋トレに費やし、見事に細身。
勉強は、飲み込みは早い物の忘却力も一流

何考えてるか分からない
取り敢えず寝たいと食べたいを天秤にかけて
人生を謳歌しているお気楽女子高生