であい ページ4
ふと、目が覚める。
いつもとは違う、ふかふかな床。
かすかに香ってる薬品のにおい。
腕から伸びた点滴。
怪我したはずの手足には丁寧に包帯が巻かれていて、もうちっとも痛くなかった。
寝たまま周囲を見渡すと、茶色くて小さな動物がすり鉢で何かを擂っていた。
「ん？お！目が覚めたか！！」
動物だと思っていたものが言葉をしゃべりだし、戸惑ったが何とか返事ができた
「あ・・・は、い・・・。」
「良かった！あ、まってろ！ルフィを呼んでくるからな！」
そう言って出て行ってしまった彼。しかし数秒を待たずに、ドタバタと誰かの足音が聞こえる。
「おう！目ぇ覚めたか！！」
そういって豪快に扉を開け入ってきた麦わら帽子の男。
きっとこの人がこの船の船長なのだろう。雰囲気だわかる。
「はい、この度は助けていただいたようで・・・なんとお礼を言ったらいいか」
「気にすんな！！それに助けたのはチョッパーだしな！」
そういいながら、小さな動物の頭をポンっと優しくたたく。
「そうでしたか。チョッパーさんありがとうございました。」
そういって深々と頭を下げる。
「いやいや！いいんだ！傷や病気を治すのが医者の役目だからな！」
なんて素晴らしい心を持っているのだろう。
きっととても優しい方なのだ。
「なぁ、きいていいか？」
「はい。何でしょう？」
ルフィさんは私を指差しながら言った。
「お前何で角生えてんだ？！」
「えっ」
はっとする。そうか治療したんだからフードもとる。
必然的に角も見えてしまう！なぜ気がつかなかったのか！
「う、うわわっ！」
とっさに両手で角を隠す。
見られてしまった。きっと怖がらせてしまう！！
「お、おい、何で隠しちまうんだよ！」
「うぅ。見ないでくださいぃ〜！」
「えぇ！何でだよ！かっこいいのに！！」
・・・・ん？
「え？かっこいい？」
そう聞き返すと、彼はけろっとした顔で
「？おう」
「・・・・何がですか？」
「？お前の角に決まってるじゃねえか。聞いてなかったのか？」
そんな事いうものだから。
「・・・・っ！！」
私の目からブワッと滝のような涙が流れた。
「え、えええぇ〜〜〜！どどうしたんだ！どっかいてえのか！？」
「ええええ！だ、誰かい、医者ぁ〜！！」
「「どうしたぁ！！」」
そんな声で船員が集まってきてしまった。
続く
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作者名：危機一髪 | 作成日時：2019年9月4日 22時
