棺桶から死人は出る【宝生永夢】 ページ36
※アナザーエンディングのネタバレを含みます
＊
「ほうじょう、くん」
雷の鳴る大雨の中、「彼女」は僕の目の前に現れた。
「柚葉…ちゃん……？」
「ごめんね、どこに行ったらいいのか分からないから来ちゃった」
えへ、と笑った瞬間、柚葉ちゃんは道に倒れ込んでしまった。傘を放り出して慌てて彼女を起こすと、また「ごめんね」と笑う。
「どうし、て…君は……」
「……わたし、消えちゃった筈なのにね」
彼女の体を蝕んだのはゲーム病だった。
当時は満足のいく治療が中々出来ない状態だったのと、発見が遅れてしまい症状が重症化していたこともあり、彼女は文字通り消滅してしまったのだ。
「……来ない方が、よかった？迷惑だった？」
「そんなことないよ…！」
抱き起こした彼女の冷たい体を思い切り抱きしめた。早く体を拭いて乾かさないと、二人とも風邪を引いてしまうのに。それすらも厭わなかった。
「会いたかったよ…ずっと、ずっと…！」
「…なら、良かった。…誰かのおかげで、蘇ることができて…こうしてまた宝生君に会えた」
きっと、ゾンビクロニクルで倒されたゾンビゲーマーレベルXのうちの一体が、彼女をバグスターとして蘇らせたのだろう。
「私、多分…もう人間じゃないんだよね？」
「……うん。柚葉ちゃんは、バグスターとして蘇ったんだ」
「そっか……。…バグスターとして蘇った私なんかを、必要としてくれる人はいるのかな…？」
「当たり前だよ…！！」
僕がもっと早く医者になっていたら、彼女の消滅する運命を変えて助けることが出来ていたのかもしれない。
ーーそうすれば、柚葉ちゃんが一人になることはなかったんだ。一人娘の消滅を悲しんだ彼女のご両親が、後を追って亡くなることだってなかったんだ…！！
「…今度こそは、僕が柚葉ちゃんを守るよ」
「…本当に？…誰かに守られても、いいの？」
「いいんだよ。もう君に、悲しい思いはさせない」
「……ありがとう、宝生君」
雷雨の中でのファーストキスは、あまりにも冷たくて、虚しくて、熱かった。
玉座に侍る君を嫉む� 撻Ε�ズ】→←小鳥のキスが欲しかった【アンク】
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横峯俊(プロフ) - 更新いつも楽しみにしています！裏用はそれ専用で作った方がいいです。関係ないものも見れなくなってしまうので (2020年5月14日 23時) (
レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - いつも楽しみにしてます！アンケートなのですが、ウチはどちらでも構いません。苦手と言われる方が多いようであれば、そちらを優先してください。もし分けるのであれば、URLを貼っていただければ幸いです。これからも頑張ってください。応援しています。 (2020年5月14日 23時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - いつも更新お疲れ様です！アンケート回答します！私は分けてほしい派です…。マークついてても、そのまま次へ次へって進んで結局そのページいっちゃうんですよね…。でもそういう系ちょっと苦手なので、分けてもらえたら嬉しいですっ！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 刹那さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！ (2020年5月12日 1時) (レス) id: 085524ccf4 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 茜 様、リクエスト書いていていただいて嬉しいです！！本当にありがとうございます (2020年5月12日 1時) (レス) id: 8f36504ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜 | 作成日時：2020年5月2日 4時
