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第四十話 ページ22

ーー蛇屋敷。


「蛭愛………」


ーー別に、あいつに特別な思いがあった訳ではない。そんなことは決してない。


あいつ、橋波蛭愛は俺のことをよく慕ってくれた。


過去のしがらみから、屑だと謗られても言い返せない俺のような存在を信頼し、稽古に真面目に取り組み、選別を難なく乗り越え、着々と柱への道のりを辿っていった。


ーーなのに。俺はそいつを、この手で殺してしまった。


「…ッ!」


乱暴に湯呑みを置き、その音に鏑丸がピクリと震える。


「………すまん」


苛立っても仕方ない。全て終わったことだ。


ーーあいつは何を思って、鬼になったのだろう。


あの様子だと、同意の上で鬼になったと考えるのが妥当だ。魔が差したとでも言い聞かせておくに変わりはないが。


「…結局、俺には何もできなかったし、何も分からなかった………」


遺書のようなものの一つでもあるかと部屋を見てみたものの、それらしいものは見つからず、思い出が見つかり苦しくなるだけだった。


自分の後を追いかけてくれた存在はもういない。


あいつのことから、逃げてはいけない。これだけは確かだ。何と言われようと、全て俺の責任なんだ。


今となっては礼も謝辞も伝えることはできない。人間は生きている間しか言葉が交わせないのだから。


そんなことを考えていると、ポツポツと雨が降り始めた。


「…あいつのことが絡むとよく雨が降るな。さては雨女だったのか」


雨とは天泣。


もういない誰かが、助けを乞うために泣いている。

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(プロフ) - 凪さん» 読んで下さりありがとうございます!キメツ学園時空で結ばれることを祈りましょう…! (2020年2月3日 23時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
- ほんとに面白かったです、でも少しだけ悲しいなあってなりました。来世では結ばれて欲しいです (2020年2月3日 23時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - くまっ子さん» わーありがとうございます!!(*´ω`*)楽しんでいただけたなら嬉しいです! (2020年1月4日 23時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
くまっ子(プロフ) - 全部読みました!こういったお話は個人的に大好きなのでのめり込んでその日全て読んでしまいました!次の作品も楽しみにしてます(^^)お疲れ様でした(*´∇`*) (2020年1月4日 22時) (レス) id: 8aff784c04 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 澪桜さん» ありがとうございます!本誌の更新速度によって本編を進めていこうと思ってます(´∀`) (2019年11月13日 17時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年10月7日 18時

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