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第三十七話Δ ページ19

一面に咲き乱れる曼珠沙華と、向こう岸を隔てる川。


私は今からどこに行くのだろう。


そもそも、鬼に行く場所などあるのだろうか。


……ああ、向こう岸に師範がいる。


いつもなら、振り返って呼んでくれたのに。なんで、こっちを向いてくれないんだろう。


もう一度私の名前を呼んでください。橋波でも、蛭愛でも良いから、私の名前を。


あなたに呼んでもらえない世界で、生きることなんて出来ません。


「鬼の行く末など決まっています。あなたは師範と会うまでに沢山の人間を殺しました。その罪を償いなさい。」


隊服を纏い、帯刀したもう一人の私がそう言う。


「………嫌だ。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!私は!私はあの人に!ちゃんと!好きだって!愛してるって!」


「言えないから、言えなかったから、ここにいるんでしょう」


罪人に、悪人に、鬼に、奇跡なんて起きない。



もう誰にも言葉は届かない。


ここから先は、嫉妬に溺れた悪鬼の孤独の旅。


月明かりすらない闇夜に溶け込んでいく。


もう誰にも会わないように。

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(プロフ) - 凪さん» 読んで下さりありがとうございます!キメツ学園時空で結ばれることを祈りましょう…! (2020年2月3日 23時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
- ほんとに面白かったです、でも少しだけ悲しいなあってなりました。来世では結ばれて欲しいです (2020年2月3日 23時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - くまっ子さん» わーありがとうございます!!(*´ω`*)楽しんでいただけたなら嬉しいです! (2020年1月4日 23時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
くまっ子(プロフ) - 全部読みました!こういったお話は個人的に大好きなのでのめり込んでその日全て読んでしまいました!次の作品も楽しみにしてます(^^)お疲れ様でした(*´∇`*) (2020年1月4日 22時) (レス) id: 8aff784c04 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 澪桜さん» ありがとうございます!本誌の更新速度によって本編を進めていこうと思ってます(´∀`) (2019年11月13日 17時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年10月7日 18時

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