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二話 ページ3
さて、時はかなり飛んでーー円堂が、一星と共に特訓をし、針が仕込まれたボールが見つかった時。
新川トバミは、その瞬間を仕事の最中に目撃していた。
鬼道に問い詰められ、慌てている一星と、それを宥める円堂。
「…何してんだろう」
彼女の目には、鬼道が一星に一方的に怒っているようにしか見えなかった。
＊
「重いなーもう！」
廊下を、大量のタオルを抱えて移動するトバミ。
不幸なことに、廊下には選手はおらず誰も彼女わー手伝える者がいなかった。
「このままじゃ崩れる……っと！」
言ったそばからタオルが前に崩れ始め、タオルの重みにトバミの体は引っ張られる。
「わーっ！？」
「えっ！？」
そして崩れるタオルと、同時に倒れるトバミが練習から戻ってきた一星に激突した。
床にタオルがぶちまけられ、その上にトバミと一星が倒れる。強く体を打った二人は同じタイミングで体を起こした。
「いてて…」
「ご、ごめんね一星君！」
「だ、大丈夫ですよこれくらい」
そう言って一星は平気なように笑うが、内心は苛立っていた。「仕事もまともに出来ないのか」と。
「良かったら、運ぶの手伝いますよ」
「えっ、良いの？！」
目を輝かせるトバミに、一星は厭なくらい良い笑顔を作り、タオルを拾った。
「困った時はお互い様、ですよ」
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展開が早いの悲しい侍
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作者名：茜 | 作成日時：2019年3月23日 19時
