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第二話「お願い」 ページ3

「態々すみません。単刀直入に言って…シキちゃんのことなのですが」


三日月同盟の会計を担当するヘンリエッタは、ギルマスであるマリエールの代わりに挨拶をした。


「その…西風の旅団の子らは簡単にギルマスのところを離れへんイメージがあったんやけど…あの子何かあったん?」


「あった…と言えばあったね」


マリエールの問いにナズナが至って真面目に頷くので、三日月同盟の面子ーーマリエール、ヘンリエッタ、そして護衛代わりの小竜が驚いた。


「えっと…何があったん?ああ、もちろん言いにくかったら言わんでええで」


「……どうする、ソウジ?」


「うーん…女の子達のことだしそこはナズナに一任するよ」


「わかった」


ナズナは頷くと、狐尾族特有の耳をぴこぴこと動かして話を進めた。


「前に三日月同盟の補助にシキが向かったクエストがあっただろう?」


「簡単な討伐クエストでしたわね」




「その際に……一目惚れ、したらしいんだ」



「………はい?」


「だから、一目惚れだよ」


「…誰に、ですか?」


「確か…飛燕、っていうプレイヤーだったような」


「えええ!?」


ナズナの言葉に真っ先に飛び上がったのは飛燕とリアルでも友達である小竜だった。すみません、と言って、取り乱したところをマリエールに見られたのが恥ずかしいのか壁を向く。


「く…詳しく聞いてもええか…?」

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作者名: | 作成日時:2019年3月15日 5時

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