認めないよ、そんな事実 (ページ8)

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「それとさ、フーゴ。同年代だし敬語はナシでいこうよ」

「ああ…そうですね。じゃあ改めてよろしく」

「うん、こちらこそ」

そう言って二人は握手をした。

レティはチームに入ってもう結構経つが、何故今言い出したのかは謎である。しかしそれをとくに気にすることもなく、フーゴは椅子に腰掛けた。

レティはというと。

ーーようやく敬語のこと言えた…今更過ぎて引かれてないよね…？

内心乱心していた。態度には全く出ていないが、耳がほんのりと赤い。そう、彼女は僅かながらフーゴに友達以上の好意を抱いていた。

彼女自身自覚してはいなかったが、付き合いの長いブチャラティとアバッキオには何故か本人よりも早く勘付かれている。

当事者であるフーゴはというと。

ーー明日はレティも一緒の任務か…余計にヘマはできないな。

既に自覚した上での恋愛感情を抱いていた。

当初はスタンドもない彼女がチームに入ったのを毛嫌いしており、態度はジョルノの加入の時よりもあまり宜しくないものだった。

しかし初めて二人で仕事をした際に行った会話で、レティへの偏見が払拭されたのだ。

"レティ、僕は君を信用していない。そんな奴と仕事をするのは嫌じゃないのか？"

"わ、奇遇だね。私はフーゴのこと信用してないけど信頼してるよ"

レティは言った。"信用と信頼は違う"と。

"そりゃあ知り合ったばかりで人としては信じれないけど、実力として頼りにはしてるんだよ"

"「だって、この世界では力と金が全て。信用は金で買える。信頼は力で示せる。なら、力だけで充分だよね」"

決して褒められた言葉ではなかったが、「どうせ尻の軽い浅はかな女なんだろう」といった類の偏見を拭うには、充分過ぎる言葉だった。