認めないよ、そんな事実 (ページ5)

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「フーゴ、ナランチャも悪気はないんだからさ、喧嘩はやめようよ？」

レティは宥めるようにフーゴの手を取り、フォークを持つ手に力が入らないように握った。

彼女は力強く押さえてしまうと力が反発して逆に力んでしまうことを知っていたので、上手く力を使って押さえたのだ。

「相変わらずああいうのは上手いよなぁアイツ」

「筋力はあまりないが単純な近接戦ならナランチャには勝てると思うぞ」

ミスタとブチャラティからの評価など気にも留めず、レティは人のいい笑顔を浮かべた。

「レティ……しかし、その…」

「フーゴもナランチャもお互いに相手のことを思って一生懸命だから喧嘩してしまうだけなんだよ。とりあえず落ち着こう」

ようやくフーゴが腰を下ろし、それを見てナランチャも落ち着いたのかナイフをポケットに戻して席に着いた。

「よーしよし、なら少し休憩しよう。ミスタがケーキ頼んでるみたいだし…ね？」

「そう、ですね…ナランチャ、ついムキになってすみませんでした」

「いや…俺もごめんな、フーゴ…」

落ち着いた二人を微笑ましく眺め、レティは自分の元いた席ーージョルノの横に座った。

「慣れているんですね」

「手癖が悪いからさ、上手くなってね」

あはは、と笑う彼女は昔スリをしていた。勿論ジョルノは知る由もないが、どことなく彼女には親近感を感じていた。