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夢主said


「見世物じゃないから!ほら、散った散った!」


任務当日、せっかく綺麗に粧し込んだ私だったがーー少し前のゴロツキにしたように、物珍しそうに眺めてくるチームの仲間をしっしと邪険に扱った。


「今日は慎ましくしておくんだぞ、レティ」


ブチャラティに促され、「わかってるから」と私は言った。


「日本の言葉で言う…馬子にも衣装、ってヤツ?」


「ナランチャだって人のこと言えないからね」


「俺動きにくいの嫌いなんだよぉ…」


ブー垂れつつナランチャは外の見張りの位置に行き、「オイ待てナランチャ」と言いながらアバッキオが追いかけた。


「じゃあ俺達も行くか。レティ、誰かがエスコートした方が良いか?一応この場では淑女だからな」


「残念、もう先約があるから」


にっといつものように笑い、私はフーゴのところに行った。「お願いね」と軽くウインクをして。


「……娘が嫁に行くのは、こういう気持ちなんだろうか」


「オイオイ…それは何が何でも早すぎるぜ、ブチャラティ」





会場の中に入ると、中は和やかなムードだった。料理が並びその間を縫うように、着飾った人々が談笑をしている。


「あそこ…絵画の前にいるのが夫人だ。頼むぞ、レティ」


「了解。じゃ、お互いに頑張ろう」


フーゴと別れ、私はシャンパンを優雅に持つ女性のところまで静かに足取りを崩さず、しかし素早く向かった。


「今日護衛をさせていただきます、レティと言います」


「あら、こんなに可愛らしい子が護衛で嬉しいわ」


おっとりと女性は微笑み、何だかそれが昔の母のようでーー私は少しだけ、鼻がツンとしてしまった。

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作者名: | 作成日時:2019年4月28日 19時

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