第十話 ページ11
「…すご」
生物の不意打ち小テストに各々不平不満を言っており私も例外ではなかったのだが、補修で受けたところばかりだった。
流れるように手が進み、夢中で解くとすぐに終わった。
先生のおかげだと思い、ふっと顔を上げて佐久間先生を見ると目が合った。お礼の意味を込めて微笑むと、いつものからかいだと思ったのか苦笑された。
*
「八重、八重。」
「何?紫」
数少ない私の友人で、テニス部のエースである紫は「正直言って、どの先生がタイプ?」と聞いてきた。
「えぇ…」
「だってこの学校の先生、みんなカッコいいんだよ?少しくらい浮いた話が聞きたいよ〜!」
「…そういう紫は?」
えっ、と紫は言って戸惑う。女の子らしく頰をほんのり赤くして。
「う、うーん……いない、かも…」
「でしょう?」
私は苦笑したが、実際その通りだった。
いや、思い浮かべていないように"自分に思い込ませていた"んだと思う。
そうしないと、一人思い浮かべてしまいそうで。
ーー怖い。
もう一生、恋愛なんてしないから。
でもそのままじゃ、本当に好きになった人にもからかっているとしか思われないのだろう。
ーーせめて、好きになった人が私のことを理解してくれる人だったら良いのに。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜(プロフ) - ありがとうございます…私情で更新が中々出来ませんが長い目で見守っていただけると幸いです…!! (2018年11月28日 21時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - いさきさん» やっぱりそう思いますよね! (2018年11月28日 21時) (レス) id: 84edfada63 (このIDを非表示/違反報告)
いさき - ホントに面白いです!頑張ってください! (2018年11月28日 18時) (レス) id: 55e87b9226 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - わあああそう言ってもらえて本当に嬉しいです!ありがとうございます…!! (2018年10月30日 17時) (レス) id: 864d8b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - 私、この作品大好きです。後返事してくれてありがとうございます。 (2018年10月30日 7時) (レス) id: 84edfada63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:茜 | 作成日時:2018年10月23日 22時