わたしを、愛して。【あ.ほ.の.坂.田.】

story129　結婚 ページ43

「あのさ、結婚のお知らせ、春ツ前か春ツ後かどっちがいいと思う？」


あのクリスマスの日からだいぶ月日が経った。


普通の人は付き合ってから結婚までこんなに短い人なんていないと思うけど私達は高校の時から仲良かったしいいんじゃない？ということで


『春ツ後の方がいいと思うよ〜。多分荒れると思うし』

「そやなあ。…Aはあんまりネット見ん方がいいと思う」

『分かった』


ちゃんとそこら辺分かってるんだな。
優くんは優しいから、きっと…



「また余計なこと考えてるやろ。俺はAが好きなんやから。結婚やで？不安になる必要なんてない。な？」

『よく分かったね笑。ありがとう。優くん大好き』



この優しさは、私だけのものではないけれど


「…大丈夫？何があっても俺が守るから、嫌がらせとかあったらちゃんと言うんやで？」


君は私を一番に考えてくれる。


パソコンで作業している横で私も様子を見る。

『優くんってほんとかっこいい』


ふと、そういうことを呟いてしまった


「…っな、なんだよ急に〜」


恥ずかしそうに照れながらパソコンでカタカタ作業しているのすら、好き。


「…でも、不安にさせてしまうことが多いと思う。俺の仕事柄。でも本当に好きなんはAやから。
いろんな人にライブでファンサしても一番に見つけるんはAやし。
坂田家の子に「好き」って言うんとAに「好き」って言うんとでは意味違うから。
一番可愛いのはA。
一番好きなんもA。」


分かった？と頭を優しく撫でてくれる。

何の作業しているんかなって思ってたけどどうやら結婚のお知らせのやつを作ってたらしい。


「よし、でーきたっ！頑張ったからキスしよ！」

『何それ、別にいいけど。』


キスをするのもいまだにドキドキして緊張しちゃう。


「…かわいいよ、A。」

『……ばか』

そっと唇が触れた。

優くんは何度も「かわいい」という言葉を発するけれどやっぱりその度にドキドキしちゃう。


その大人びた色気のある顔。
この顔、誰にも見せたくないな。

「んじゃ、春ツ来週からやな。俺、頑張るからな〜！！」

『うん！頑張って。』

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