わたしを、愛して。【あ.ほ.の.坂.田.】

story107　出張 ページ21

「京都来ましたよ〜〜！！」


折原さんはどこか嬉しそう。
まぁ理由は分かりますが。


『今から仕事ですよ……』

「まぁそうですね。頑張りましょ〜」


このテンションの差は。


「会社までまあまあの距離ですね。時間もありますが…歩きますか？」

『歩きますか〜！』


あーもうこんなイケメンの横歩きたくないです。

「…寒いですね。大丈夫ですか？」

『すごく寒いですね…まぁ多分慣れます。』

そう言うと折原さんは自分の首からマフラーを取った。


「……これ、巻いてください。」

『えっ、いや、折原さん寒いじゃないですか！』


そんな私の声を聞かずに折原さんは私にマフラーを押し付けてきた。
ありがとうございます、と受けとるしかなかった。

「……いや、やっぱり私が巻いてあげます。」

折原さんは私からマフラーを取った。そして私の首に巻いてくれた。

思ったよりも顔が近くて緊張してしまう。

「…これで少しマシになりましたかね…？」

『ま、マシどころか！！めっちゃあったかいです！！ありがとうございます！』

折原さんは目を細めて笑った。

『折原さん寒くないんですか…？』

「ふふっ…私は大丈夫です。今日１日それ使ってください。」

『…え、いいんですか…！？』

「はい〜全然使ってください」


優しすぎる。これはモテるぞ。

ありがたく、折原さんのマフラーを使わせてもらうことにした。


センラside


マフラー巻いてあげる、ってなんかぐいぐいいきすぎというか攻めすぎたかなと思ったけれどAさんは何も思ってないみたい。


Aさんには坂田がいるのにね。
何をしているんやろか俺は。
でも…これくらいしたい。


俺のマフラーを巻いてふわりと笑うAさんがあまりにも綺麗だった。

綺麗だとか可愛いだとか。
思うくらいは自由やんな……？


「…可愛い」


やっちまった。と思ったのは一瞬で


『なんか可愛いのでも見つけたんですかっ？？』

まさかの自分のことだと思っていないという。こんなことがあるのか！？

「可愛い子見つけちゃいました。」

『声に出るほどだったんですね笑』


正直ずっと出張でもいいくらい幸せだ。

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