わたしを、愛して。【あ.ほ.の.坂.田.】

story87　お家デート　坂田side ページ2

Aを中に連れてきて、とりあえずリビングのソファーに座らせた。



…………………まではいいものの


一体何をしたらいいんだ！！！！！



横に座っているAをチラッと見ると、どうやら俺の部屋に興味津々らしい。



えっと、えっと…





あかん、恋愛してなさすぎてなんもリードできん…。
とりあえず素直に言ってみたらいいのかな…っ


「あ………あの…」

『んー？』


「…抱きしめても…いい…？」



やっぱり突然だったやろうか。
序盤から走りすぎたかな。

えっ と驚いた顔をしている。


『え、あ……い、いい、です…っ』


顔を赤くして少し下を向くA。


俺はAの言葉を聞いて、華奢な肩に触れた。


そっと優しく包み込み、自分の方に引き寄せた。


Aの体は俺の中にすっぽりおさまって、…柔らかかった。



少し力を入れただけでも壊れてしまいそうな…折れてしまいそうな体。



どういう風に扱えばいいのか分からなかった。


ゆっくりと離れるとAと目が合い、吸い込まれそうになる。



地味に上目遣いで見つめてくるのがずるすぎて…Aの唇に軽くキスを落とした。


『……っ…ばか』

「素直になれよ〜」

『…意味わかんないっ』


相変わらず素直じゃないA。
…まぁそういうところが可愛くて好きなんだけれど。これは秘密。



『っわ、私、坂田くんの彼女…なんだよねっ……ずっと友達で、しかも…推しで……え、私…！？やばくない！？』


「少し落ち着け 笑」


『落ち着けるわけない…っ』


わちゃわちゃ一人で騒いでいる。
いつも大人っぽいのに。
Aが俺の家に来てからはもう、可愛くて仕方がない。


「推しとキス…しちゃったね？」

『〜〜〜〜〜いじわるしないでっ』

「………もっかいする？」


答えを聞かずに俺はまた、Aの唇にキスをした。


『〜〜〜もうっ！！』


Aは俺の胸をぽこぽこ殴ってくる。ひとっつも痛くない。


「俺は甘えたいんです」


俺はひたすら甘えたい人だし、いちゃいちゃしたい人。
好きな子には甘やかしてほしい。


『……知ってる』


さすがA。
もしかしたら一番俺の性格を把握している人かもしれない。


「…じゃあいいじゃん。」


『…甘やかしてほしいんでしょ』

「正解」

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