君と対等になれたら【TOP4】 (ページ4)

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言っている途中に手首を掴まれ、途端に走り出した。着いたのは農園の高い塔。彼はせっせと登っていき、ようやく着いた景色に俺は唖然とする。

ガ「……これが見せたかったんだ。」

『……綺麗…』

ガ「………俺、王子様じゃなくてキヨって呼びたい。君と友達になりたい。」

『………………』

俺はしばらく考え、返事をどうするか迷っていた。彼も友達になった時点で、俺よりお金、家庭目線……ではないだろうか。

いや、違う。彼は初めて"友達"になりたいと言ってくれた。それに、彼といた
時間は楽しかった。きっと俺は心のどこかで友達になりたいと思っている。今ここで断ってしまえば、もう彼と会えないんじゃないか。そう思うと、口が勝手に返事をしてしまった。

『………俺も、友達になりたい。キヨって呼んで。』

ガ「…！！うん、よろしくキヨ！」

にこやかにこちらに顔を向けてくる彼に、俺も笑いを返した。

「…よろしく。ガッチさん」

ガ「………ねぇ、もしかしてさ。これって…時間、過ぎてるとかない？」

「……あ」

ふと腕時計を見ると、時間はとっくに過ぎていた。メイドが俺の部屋に入って、夕食の時間を伝える時間。俺はまずいと思い、青ざめた顔をする。

ガ「やばいやばいやばい！！走って！！」

「…あ、」

俺は一目散に走り、人混みの中を駆け抜けていく。城につき、裏庭からこっそり自分の部屋へ行く。一瞬で着替え、テレビを見ていた様にする。それと同時に、扉を開ける音がした。

メ「すみません。伝える時間が遅くなってしまいました。本日の夕食は〜〜〜〜……」

よかった。メイドが伝える時間を忘れていたようだ。ここからまた、いつもの日常に戻る。どうして俺は普通ではないのだろうか。なぜ俺は自由になれないのだろうか。

メ「では、失礼します。」

メイドが出ていった後、俺は婚約者の件をどうするか考えていた。誰とも結婚したくない。そもそも何故あそこの中から決めなければならないのか。ぼーっと考えていた。

「……………何すっかな。」

部屋に戻ってきた今、することがなく暇をしていた。くつろいでいると、窓からコンコンとノックをする音がした。

ふと窓を見ると、そこには5本の花があった。俺は警戒しつつ、窓を開ける。誰も窓にはいない。俺は周辺を見渡すと、せっせと走っていく彼がいた。