私たち、お付き合い始めました！ (ページ12)

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ガチャっ

と助手席の扉を外から開けて

『どうぞ、お姫様？』

なんて手を差し出す
こういう時はほんとプリンスだな

「…どうも？」

車から降りて
岸くんに手を引かれて進む

広い、公園でどことなく水の音が聞こえる

「ねぇ、夜の公園ってちょっと不思議だね」

『A、怖いなら俺にもっとくっついていいぞ？お前、ビビリだからなー』

「うるさいっ」

繋いだ手を離して
岸くんのお尻をバシッてたたく
おしり薄いっ

『おまっ、離しちゃダメ！』

もう一回手を取ってしっかり繋いでくる
怒るとこそこなんだって、
やっぱ笑っちゃう

『あ、ここら辺から目、閉じて』

まじサプライズだから！
とか、言っちゃってる時点でサプライズじゃないし

「怖いな、ちゃんとエスコートしてね？」

『任せろ任せろ！』

目をつぶって岸くんに両手を引かれて歩く

「きゃっ」

『あぶねっ』

案の定つまずいて
岸くんに抱きとめられる

ガシッとした腕にドキッとする

『怪我してない…？！』

「うん、大丈夫！だいじょ…」

結局開いてしまった目に写ったのは
焦った様子の岸くんと
たくさんの満開の桜と
まん丸お月様

「…え、綺麗…！！岸くん！！月と桜がすごく綺麗だよ！！！」

岸くんの後ろを指してこの喜びを伝える私を
見つめる岸くん

「ちょっ、私はいいから景色見てみなよっ！」

前に向かせようとしてもわたしを抱きしめたまま動かない

『Aの後ろにも桜あるから笑』

「…でも、こっち側は月がきれいだよ！！」

ふっ、て笑ってから

『A、愛してる

今はスタート地点に立ったばっかだから結婚とかすぐにはできないし、正直待たせると思う
それでも、

俺とこれからもずっと一緒にいてくれますか？』

て。