ネテロ会長に保護され育てられています

7話 ページ6

『これ、なに？』


スムージーを飲んだ後、元気に動き回るA。
何もかもが見目新しいようであっちこっちを見て回っては不思議そうな顔をしている。

思いのほか元気よく動き回る様子に安堵しつつも、逆に動き回りすぎて怪我をするのではないかと心配になるほどだ。

実際に何度か何も無いところで転びかけたり、休憩を挟んでいたり、机に登ろうとしては諦めたりなど多少運動神経が悪いのかもしれない。


『いたぁ!』


ふとすると先程まで元気に走り回っていたというのに急にしゃがみこんで足、特にふくらはぎの当たりを押さえ込んでしゃがみこむ。


「なんだ?どうしたんじゃ」

急変した様相にネテロとビーンズは慌てて駆け寄る。


「足が痛いんですか?」

『いたぃ』



ぎゅうっと自らの足を指の先が白くなるほど握りしめ、翡翠の瞳には生理的な涙が浮かんでいる。

そっとその手を解き軽く触診したりしながらビーンズが様子を見る。



「これは......ただの筋肉痛ですね」

「筋肉痛じゃと?」


確かに外傷はないし、内出血もしていないようだ。思い返せばAがいた白い部屋は5畳ほどで何も無い上に狭苦しかった。ドアも子供が開けるにしては重いものであった。何よりもこの子の細腕では満足に動かせるかはわからない。極端に少ない活動量でも生活できる空間であったということだろう。

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