誘拐 ページ43
『やばい、クラクラしてきた・・・』
この磔の十字架は、本当に枯渇状態の私の力に耐えられるだろうか・・・
もし、壊れてしまったら
そこに、ゴンとキルアが来てしまったら・・・
とはいえ、意識がなくなってしまう私には
それを確認する術はない
邪魔な手が切れたのに、腕が抜けないあたり
流石念能力だなと、変に関心する余裕が出てきたところで
視界がぼやけ始めた
そろそろ、まずいかも・・・
『ごめん・・・ゴン、キルア・・・』
ニヤニヤと笑うローブの男の顔が瞳に映る中、Aの意識は途切れた
そして数分後、彼女は再び
先程までの弱った姿ではなく
子供のようなあどけない姿は跡形もなく
狂ったような笑顔を浮かべ
手当たり次第にイキモノを襲い続ける
バケモノとして
―――――
『ゔゔゔゔうぅぅぅ・・・』
ぐったりと力なくうなだれていたその少女の足元には
ポタリ、ポタリと何かが垂れている
黒いローブをかぶった男は目線を何処から、何が垂れているのかと目で追う
その液体は、少女の涎だったようで
その表情は
先程までの少女とは打って変わって
肉に飢えた獣のようだった
「あぁぁぁ・・・////
美しい!
なんって素晴らしいんだ!!!
貴女の母親は純潔だったが故に、欲に慣れていた・・・
貴女の名を呼び、そして最後まで意識を保とうと必死になっていた・・・
だが貴方はどうだろう
ハーフであるが故の苦しく辛い血液の枯渇!!!
さあ、大いに暴れなさい!!!!
ふふふ・・・・・フハハハハハハハハ!!!!」
少女は満月のような黄色い瞳を見開き、裂けんばかりに口を広げ、だらしなく涎を垂れ流す
『よっ、よ゛ご ぜ ・・・・・
ぐあぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!』
―――バキッ
少女が叫ぶと同時に、彼女を拘束していた十字架が悲鳴を上げた
「そんなはずは・・・!!」
少女の体からは、赤黒く地を這うようなオーラが溢れている
何が起こっているのか掴み切れていない信者たちは、目下で「サタン様!!」と騒ぎ立てている
このままでは彼女が解放されるのは時間の問題だ
枯渇状態の彼女を今の拘束具で押さえつけることが不可能だとわかった今
自分もここにいるのは危険だろう
ローブの男は小さく舌打ちをすると、信者たちをそのままに協会からその姿を消した
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ruru(プロフ) - みこさんの作品とても好きです✨しかもめちゃ好みで全部読んじゃいました(*^^*) (5月6日 18時) (レス) @page45 id: 41af3796e6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - メロンソーダさん» メロンソーダさんこんにちは!ありがとうございます\( °ω° )/頑張りますー!! (2022年8月4日 7時) (レス) id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
メロンソーダ(プロフ) - 続編おめでとうございます(* 'ᵕ' )イラストもお話も待っています 体調管理に気をつけながらも頑張ってください!! (2022年8月3日 22時) (レス) id: 30b889220d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこ | 作成日時:2022年8月3日 7時