【HxH】私の捕食対象は。4【キルア】

おまけ4 ページ27

夜店の明かりに照らされて、2人に赤い顔が見えていないだろうか


「なんか食おうぜ！」


「そうだね！A、何食べたい？」


『んー・・・全部っ！！！』


少し悩んだかと思いきや、楽しそうに笑う彼女の口からはとんでもない言葉が飛んできた


「じゃ、全部制覇だな！」


無邪気な笑顔に折れるオレたちは、Aに引かれるように片っ端から買い物をした


―――――


「いっぱい買ったねー！」


「こんなに食いきれんのかよ？」


各々の手には、お互いの手は無く


代わりにたくさんのビニール袋が抱えられていた


さて、あとは花火だゴンが穴場があると2人の数歩前に出て歩いていく


『だいぶ会場から離れたね』


「だなー、こっちで合ってんのか？ゴン」


「うん！もう少しだよ！」


案内されたのは、そこから数分歩いた所にあるおおきな木


「この上にね、大きな枝があってさ！


オレ、毎年そこで花火みてたんだよね


・・・よっと！」


話しながらスルスルと木を昇っていくゴンの浴衣からは、布がはだけ足が覗いていて


私は思わず顔を逸らした



これ、私もやるんだろうか・・・


この動きにくい浴衣姿で


笑顔で手を振るゴンを見上げる


彼はきっと、登ることに夢中で自分のそのはだけた浴衣など目に入っていないのだろう


「ゴーン！荷物受け取れー！」


「えぇ？！うわっ！！まっ、待ってよキルア！！！」


次々と食べものの入った袋を投げ渡すキルアに、ゴンは必死になってキャッチする


「よし、これで最後だなー」


フラフラと荷物を抱えるゴンを見上げて笑っていたら、私の目の前にはキルア


『えっ・・・？』


「ゴン！いくぞ！！」


「うーん！おっけー！」


『え？！おっけー？！いやいや待って！！』


キルアが私をお姫様抱っこで抱える


『はっ、恥ずかしいってば・・・！////』


顔が、近い


ドキドキと心臓が早くなる


耐えられなくなって、両手で顔を隠した


「顔、真っ赤だぜ？」


耳元で、キルアの声がした


息が、耳にかかるくらいの距離だったと思う


目を手で覆っていたから何も見えなかったけど


真っ暗だったのに、顔が赤いの、バレてた・・・///！！！


次の瞬間、「よっ」とキルアの声が聞こえたと思ったら、急な浮遊感


『わぁぁぁぁ！！！』



目を隠していたことと、キルアの発言で頭がいっぱいだった事もあり、これ以上ないくらいの恐怖だった・・・

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