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家から出ると肌寒い風が吹いてくる。
私は学校へ走って向かった。
「ゲッ…」
教室に着くと、そこには荒木の姿があった。
「おいっ、人に向かって『ゲッ』ってなんだよ!失礼だな!」
荒木は息継ぎをする暇がないような早口で言っていた。
私はさっぱり何を言っているのかわからなく、無視して席に座る。
「話聞けよ〜」
荒木は私の席の近くに来た。
なんかキモいな…
「お前、俺に向かってキモいとはなんだよ!」
「あ、声に出てた〜?ごめんね〜?」
「クソッ!ムカつくわ!」
こんな感じでくだらない話をしていく。
「そう言えばお前、笹川ん家行ったんだろ?どうだった?」
「いや、普通だったよ」
い、言えない…美少年で好きになってしまったとか言えるわけがない…!
「ふーん…学校来ない理由とか聞いた?」
「全っ然。荒木は知ってるの?」
「さぁ、どうだろうね」
荒木は黒板に向かい、チョークで落書きをする。
「わかってても教えないけどな」
「何それ…」
私は荒木に少しイラッときた。
「まぁ、Aには教えてくれるんじゃねぇの?」
「私に…?」
「なんでもねぇよ」
荒木が笑いながら言うと、それから“笹川”についての話はしなくなった。
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時