私のクラスの不登校くん。 (ページ28)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:64,769 hit

▽27 ページ28

　
　
Aside

「知らない？」

「ううん、見てないよ」

「ありがと。何処行ったのかな…」

私は今、涼を探している。
トイレにしては長すぎるし…

「おーい、櫻井～」

探している最中、後ろから聞き覚えのある声がした。
私はゆっくり振り向いた。

「ゲッ、後藤……」

「櫻井、先生に向かってその反応はないだろ」

思っていたことがつい声に出てしまった。
すると、先生はシワを寄せる。
てか、なんで引き留められんの？提出物は出したはずなのに…

「そんなことはどうでもいいです。用がないなら私行きますよ？」

私は腕を組んで先生に聞く。すると、先生はハッとして口を動かす。

「あぁ、すまないすまない。ちょっと荒木を探してくれないか？」

「はぁ！？なんでっ…」

「彼奴、今日締切の提出物出してねぇからな…俺これから緊急の会議だから宜しくな」

先生はそう言い捨てると廊下を素早く去っていった。

(あの野郎ぉぉぉぉ！！！！！)

私は荒木への怒りが芽生えた。
此方は涼を探してるのに、人に迷惑かけやがって！

私はイライラしながら、彼奴がいそうな屋上へ向かう。
扉を開けると予想が的中した。彼奴(荒木)がいた。幸い、涼もいた。

「おい、荒木っ！！」

「え、Aなんで此処に…」

私が大声で荒木を呼ぶと、ビクッとしていた。

「『なんで此処に…』じゃないわ！！」

私は荒木の真似をしておまけに変顔もした。
荒木は『全然似てねぇよ』と否定するが、私はスルーする。

「お前、提出物出ないだろ！先生怒ってるぞ」

私は最後の方は嘘だけど、荒木にムカついたからそう言う。