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「わぁー…」
私がゲームを探していると、クレーンゲームに目が入った。
一番目に入ったのは、猫のぬいぐるみがあるクレーンゲームだ。
「欲しい……」
私は財布から100円を出して、ぬいぐるみを撮ろうと努力する。
「いけ、がんばれっ！！」
輪っかのところを狙い、撮ろうとした結果空振り失敗してしまった。
「やっぱり難しいのかな…」
「何が難しいの？」
後ろからひょっこりと顔を出す涼。
私はぬいぐるみに指を指す。
涼は察したのか、財布に100円を入れてぬいぐるみを取り始めた。
「涼がんばれ…」
私は両手の指を絡めてぬいぐるみが取れることを祈る。
すると、ぬいぐるみが持ち上がり落ちてきた。
「はい」
「わぁ、ありがとう！！」
私は渡されたぬいぐるみをギューッと抱き締めた。
「涼ありがと！！」
「うん」
＿＿ゲーセンから出ると、気づけば暗くなってきている。
「今日はありがとね」
「いや、俺こそ誘ってくれてありがとう」
月に照らされながら歩いていく二人。
今日あったことを会話しながら帰っていく。
「今日は楽しかったね」
「うん、“デート”して楽しかった。ありがと」
「う、ううん…」
今日は本当に短くて長い日だった。
ゲーセンで笹川とデート…して楽しかった。
こんな日が毎日続くと良いんだけどな…
「笹川送ってきてくれてありがとう！また明日」
あっという間に家に着き、私は笹川に向かって手を振った。
すると、腕を無理矢理引っ張られて、耳元でこう言われた。
「これからは涼だから…」
そう言われると、笹川は『じゃ…』と言い、家へ向かった。
「涼…か…」
私は一人、彼の名前を呟く。
そして、ぬいぐるみをギュッと抱いた。
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作者名：咲乃ほしは | 作成日時：2019年10月21日 21時
