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話が終わると、私は荒木を残して教室から出ていく。
昇降口から出て行くと、外は薄暗くなっていて、月が美しく輝いていた。
「私、そんなに教室にいたんだな…」
私はボソッと呟く。
私はポケットに突っ込んでいた、手を出して唇をゴシゴシと擦る。
「まさか、彼奴にファーストキスを奪われるなんてね…」
私はそう呟きながら歩き出す。
歩いている途中、一粒の液体が頬を伝う。
「え…?」
雨も降っていないし、汗もかいていないのに液体が頬を伝う。その液体はどんどん溢れてくる。
きっとこれは涙なんだ…
「あれ…?なんでか…なぁ…っ…!」
何度も何度も擦っても出てくる涙。
私は目を擦りながら家まで走っていく。
家に着くと、幸い誰もいなかった。と言うか、両親は最近帰りが遅いため私が帰ると誰もいないのだ。
私はしーんと静まっている廊下を歩き、自分の部屋へ向かう。
バッグをベッドに放り投げて、私もベッドに倒れ混む。
涙は止まったが、いつまでも感触が気持ち悪いほど残っている。
「荒木のこと友達だと思ってたのにな…」
私は目を閉じて、今までの荒木との思い出を思い出していく。
そして、私はそのまま意識が遠くなっていった。____
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時