あなたに命を吹き込んで 【TH】

近くにいた ページ19

ジョングギって…………いや、まさか。




なんか身近にもそんな名前がいた気がするけど。





「ジョングギは俺より先に人間になったはずだよ！どこに居るかは分かんないけど」

「へ、へぇ」

「ダンスの上手いヒョンの所に行きたいって言ってた。あいつ元気かなー」






お、美味しそう！とテーブルの朝ごはんをつまみ食いするテヒョン。




どう思いますか皆さん。




今私が考えてること合ってると思いますか？





「美味しーよこれ！Aも食べよ！」

「あぁ、うん」





悶々と考えながらなんとか食べて食器を片付けた所で、ふと今日がごみ捨ての日だと気づいた。





「ちょっと行ってくるね」





急いでごみをかき集めて靴を履き外に出る。と





「あ、Aちゃん！おはよう！」

「Aさんおはようございます」

「おはようございますホソクさん、
……ジョングク君」





た、タイムリー……！！




そこにいたのは、
朝から私の頭の中を占めてた彼と、一緒に住んでる彼のお兄さんだった。





「お二人ともこんな時間に合うの珍しいですね？」

「あ、今日は僕とホソギヒョン、朝からリハーサルがあるんです」

「リハーサル……」





チョンさん家と隣になってから大分経つけど、
正直彼らのことはあまり知らなかった。




たまにすれ違って挨拶して、いつもスポーティーな格好してるな、と思うくらい。それだけ。




でも今日は聞かずにはいられない。





「つかぬことをお聞きしますが、普段何をやられているんですか？」

「あぁ、俺たちダンサーなんだ」

「ヒョンはプロですが、僕はまだひよっこです」





……ほっほぉ〜！
きたよこれ。ダンスやってるってよ。




どうする、聞いてみる？
「あなた人間になりましたか？」って。




いやいや、もしそれで違ったらジョングク君にイタい女って思われて終わりだ。
立ち直れない。





「えへへ、Aさんとちゃんと話したこと無かったんでちょっと僕嬉しいです」





照れくさそうに笑うジョングク君に私が、どうしたもんか……と固まっていると、
後ろからでっかい声が聞こえた。





「ジョングギ！？」





私の肩越しを見て、ジョングク君は大きな目を更にまん丸にさせて指差した。





「え、テヒョンイヒョン！？」

「「なんでここに！？」」





……どうやらまさかの事態が起こったらしい。

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