第1話 ページ2
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「へぇ、勝利引っ越すんだ〜。」
勝利「うん、東京に。もう来月にはここから離れる予定。」
小学6年生の秋。いつもAと遊んでいた公園のブランコに乗りながら告げた話。
それは引っ越すことだった。今まで住んでいた宮城から親の仕事の事情で、東京へ引っ越すことになったのだ。
「東京ってここから遠いよね?会えないね〜。」
勝利「うん、会えるとしたら俺とAが大人になってからだね。」
そう言うとAは、『いーち、にーい、さーん………8年間会えないべっ!』と言った。
勝利「うん、そうだね。ちょっと寂しいなぁ。」
「ちょっと?私はすっごく寂しい!!友達一人おらんくなるのは。」
うつ向き、今にも泣きそうなAの声は震えていた。
勝利「大丈夫。大人になったらまた会える!」
「うんっ!!」ニカッ
最後に見た君の笑顔。
「バイバイ、勝利。」
勝利「さよなら、A…。」
俺たちは産まれた時から一緒だった。
その長く、そして短かった12年間は終わりを告げた。
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作者名:わたあめ | 作成日時:2018年7月13日 0時