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Nside
N「もう出ない？」
A「ん…」
二人前をすべて吐ききった相葉さん。
ぐったりと壁に寄りかかった。
零れ落ちる大粒の涙は、精神的なものに変わったようだ。
いったんリビングに行くと
事態を察していた翔さんが
すぐに水の入ったコップとタオルを渡してくれた。
口をゆすがせて、ふらつく相葉さんを支えてリビングのソファに座らせる。
大野さんが冷えきった体にブランケットをかけてあげた。
N「で？なんでこんな無茶したの？」
A「っさ、つえい、現場で…」
N「うん」
素直にポツリポツリと話し出してくれた言葉に
優しく相づちを打つ。
A「そんなに、痩せてたら…役にも影響するし、
ガリガリで、きもちわるいって……」
確かに食べられずに痩せていくことに心配はしてたけど
きれいに筋肉はついてるし、スタイルは相変わらず
抜群にいいから、そんなこと言われる筋合いはない。
N「誰に言われたの？」
A「えっ？えっ…と…」
名前は知ってるけど、会ったことはない女優さんだった。
ちょっと小太りの。
口が良くないって噂は聞いたことがある。
その人を中心に色々言われてたらしい。
N「それで、あんなに食べようとしたんだ？」
A「だって…、も、どうしたらいいか、わかんなっ…」
そう言って顔を歪め、また涙を流す。
俺はそんな相葉さんを抱きしめた。
直接触れることでよくわかる、痩せてしまった体。
N「だからっていきなり大量に食べたら吐くに決まってんでしょ。ばかだねーほんと」
A「にの…っ」
N「あんたは無駄に考え過ぎなくていいの。
しばらくは潤くんが作ってよそってくれた分だけ食べな」
M「うん。俺に任せて。栄養もしっかり管理してやるから」
N「少しずつ量を増やしてこうね。
どうしても食べられないならそれはいいけど、
よそってくれた分以上は無理に食べないこと。
そうしないとまた苦しい目に遭うよ？」
A「わかっ、た…」
.
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作者名：とろサーモン | 作成日時：2014年11月2日 21時
