弟切草を貴方達に。 (ページ8)

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6話花浜匙ページ8

＊

「…何を、しているんですか」

『花を見てました』

「…貴方は意外と、花が好きですね」

『意外って何ですか？？』

《意外ではなく真っ当だと思いますよ》

『ほんと好き』

「ははっ、君は中々に単純だな！彼は誰にでも優しい言葉を吐くと忘れない様に」

『辛辣過ぎるんだよ』

「…あのさ、早く部屋入ってくれない？暗くなって来たから閉めたいんだけど。君の妹が空腹で倒れるよ」

『うっそそんな感じ！？早く戻らないと！貴方に指摘されると腹が立つのだけど』

「捻り潰されたいって？うん良いよ」

『言ってない！！！』

走馬灯、見るなら最期はどんなものが良い？

「お腹空いた〜」

『遅くなってごめんね！！この宿にはキッチンもあるし、今回は自分が腕を振るいますか！』

「え…君料理出来るの？嘘…」

『喧嘩なら買いますよ』

「…手伝います、早々に終わらせましょう」

『あっ、はい！』

「じゃあ私達はゲームでもして待っていようか」

「だね」

『量少なくするから』

《手際悪いから邪魔しか出来なくて…すみません》

『良いんですよゲームしてて！！』

「贔屓は良くないな！」

『貴方は少し手伝う雰囲気出しなさいよ』

僕は、あの頃の、愛おしいゆめを見たい

「…あなたは人気者ですね」

『え〜…どうでしょうね、みんなに好かれるのは嬉しいですけど…』

「…最初に知ったのは、僕なのに」

『！？嫉妬！？嫉妬ですか！？』

「良いからやりますよ」

『もう好き〜！』

嗚呼、何か、もう…

.

.

『…たすけて、フェニック』

＊