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3話 ページ5

『これ暫く残りそうだなぁ〜』





自分の腕に出来た傷を手当てしながらそう呟く。

この学校では味方なんて居ない。それは教師も含めてそう。だから保健室なんて行かないし、自分で手当てもする。



毎日の様に怪我をするから医療箱を学校に隠してある。持ち歩いていたら何処かに捨てられてしまいそうだし。





『本当の事を知ったら、あいつら全員どうなるんだろうねぇ…』





後悔する?それとも仕方なかったと言う?もしくはだとしてもやっただろうと言われる?



どれも可能性があるから笑っちゃうね、まあ今更本当の事なんて言うつもりもないのだけど。例え謝られたとしても、自分はもう二度と彼らを信用出来ない。彼らも信用なんてしないだろうし。





「………ぁ、」





か細い声が聞こえて来た。誰?と目を向ければ、そこには一つ年下の少年。

花垣 武道、東卍の重要人物だ。





『…何?』



花垣「え、や、あの…」





少し近付いて来た彼は、眉間に皺を寄せている。何を考えているのかは分からないが、自分と一緒に居るのを見られたら大変な事になってしまうだろう。





『…教室、戻ったら?』



花垣「…っ、オレ!」



「おい、タケミっち!」





次は誰か、なんて考えなくても分かった。花垣は大抵彼と一緒に居るから。相棒だとか言っていたか、最早一蓮托生のフタリ。



羨ましい、なんて思っていた頃もあったなぁ。





花垣「千冬、」



松野「何でこいつといるんだよ、こんな所見られたら…それに、こいつが何をしたかはタケミっちも知ってるだろ?」





別に何とでも言ってくれて構わないが、年上である事だけは忘れない方が良いのではないだろうか。否、彼らにとって自分は敵でしかないから…年齢も何も関係ないのかもしれない。

…別に良いけど。





花垣「千冬、オレ」



松野「しっかりしろよ相棒!こいつは未来さんを泣かせたんだぞ!!」





───泣いた人を信じるのだと言うならば、自分はあの時泣いていれば良かったのだろうか?



そこまでして信じて欲しいなんて思わなかったし、そこまでして…信じて貰えなかったら、と思うと。…あの時も、笑う事しか出来なかったけれど。





花垣「でも…」



松野「良いから行くぞ!」





松野に連れられた花垣は、名残惜しそうに此方を見ていた。





『…君はいつも、最初に真実に辿り着こうとするね…』





けれど、何もしなくて良い。

今の幸せが崩れて欲しくないのならば。

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なっつ(プロフ) - え、、滅茶苦茶好きです….更新楽しみにしてます! (2022年1月27日 18時) (レス) @page12 id: f68b2b1abd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月12日 17時

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