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10話 ページ12

『待って本当に心臓が持ちませんもしかしたら今直ぐ破裂してしまうかもしれませんって訳でもう少し考えませんか?』



イソップ「ここまで来て何を言っているんですか…今更離しませんよ」





辿り着いた場所は、何だか見覚えのある場所で。この時代でも変わらずあのゲームが行われているのだと分かった。

それは良かったのだけど、この場に踏み込んだらその瞬間に強がっていたもの全てが壊れる気がして…





『怖い…』



イソップ「…何があなたをそんなに怯えさせているのかは分かりませんが、その相手を潰す事くらいは出来ます。だから安心して」



『安心要素がひとつもなくてびっくりしちゃったな…』





逆にそれが安心ってどうなっている?流石ここに居る人は何処かネジが外れているな…褒め言葉です。





イソップ「…言いたい事が沢山ある、説教もある。さっき僕はそう言いました」



『今掘り返す??怖…』



イソップ「でも、」





言葉に続きがあると言う事に気が付き目を向ければ、カールさんはいつもより眉間に皺を寄せていて。何を考えているかは分からないが、また難しい事を一人で抱え込んでいるのだろうな、と、そう思った。



…そんなに一人で背負い込まなくて良いのに、





イソップ「…悪いのは僕達だと、…僕なんだと。…分かっていますから」





その言葉に、ぴしりと身体が固まった。



儚げな横顔に、哀しそうな瞳に。そうじゃない、と言いたくなって手を伸ばした。

そんな顔をしたくて、終わらせたんじゃない。あの時自分は、みんなに幸せになって欲しくて…それが裏目に出てしまったと言うのか。そんなの、そんなの…





『…自分は、カールさんが…みんなの事が、大好きです』



イソップ「…知ってます」



『はい。…だから、そんな事言わないで』





本当の本当に大好きなの。

それなのに自分を責められたら、悲しくなってしまう。



…あの時にやった事が、彼らの為にならなかったなんて。そんな風には思いたくなくて。





イソップ「…あなたは相変わらず、底抜けに優しいですね」



『それはカールさんですよ』



イソップ「…そんな事はありませんよ」





僕達は優しくなれないから。

彼のその言葉の原因が、自分である事は明白で。



…分かっているから。彼らはきっと…自分の為なら、人だって殺してしまうのだろう。





『…望んで、ないのに…』





僕なんかの為に、そこまでしないで…

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なっつ(プロフ) - え、、滅茶苦茶好きです….更新楽しみにしてます! (2022年1月27日 18時) (レス) @page12 id: f68b2b1abd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月12日 17時

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