いつまでもあなたの心の中に。 ページ9
しのぶ:「A、ありがとう。」
しのぶ様が微笑む。いつもの笑顔で。
月光に照らされていたときも、私の髪に蝶の髪飾りをつけてくれたときも、
私を叱ってくれたときも、褒めてくれたときも。
しかし、こうしている間にも体が透け始める。
しのぶ様がぎゅっと私を抱きしめる。
しのぶ様の酔いそうな、いい匂いがする。
その匂いから離れたくなくて、私もしのぶ様を強く抱きしめる。
透けてる肩を隠して。
いつまでそうしていただろうか。
しのぶ様が口を開いた。
しのぶ:「A、私はですね、前にも言いましたね。いつも怒ってるんです。」
その話は、ある夜にきいた。寝つけなくて、外に出たら、しのぶ様がいたんだ。
その夜は長かったっけ。
しのぶ:「でも、あなたを見ていると、何ででしょう?怒り以上に、愛しさも溢れてくるんです。知ってました?」
私は少しびっくりして、首をふるふると振る。
しのぶ様はくすっと笑う。
そうだ!私はあなたに言わなければいけないことが!
『しのぶ様!私が、、、。3次元の人間だったら、どうします?」
透けた体の1部分をしのぶ様に見せる。
しのぶ様が目を見開いている。
そりゃそうだよね。 気味悪く思われるかも。
しのぶ:「そんなの、関係ないです。だってAは、もう私の愛人ですからね」
しのぶ様がいたずらっぽく微笑む。
しのぶ:「でも、3次元には3次元に、Aの家族がいる。その人たちを大事にはしてください。 喪った人は戻りませんから。」
心なしか、寂しそうなしのぶ様。
『でっでも私は!しのぶ様のそばにいたい‼』
しのぶ:「A、あなたの部屋にいるじゃないですか。私がたくさん。」
しのぶ様、、、、。
私の今にも消えそうな体をしのぶ様が触る。
しのぶ:「覚えててください。私は、胡蝶しのぶは、Aの心の中で生きてます。
ずーっと一緒です。約束ですよ?」
私はしのぶ様の細くて滑らかで、白い指に自分の指を絡める。
『約束。ですね!』
最後は笑わなくちゃ。
ついに体がとけだした。 ついにもう別れの時間が来たんだ。
涙をこらえて、もう一度、しのぶ様に抱きつく。
『愛してます。しのぶ様。どうかご武運を。』
しのぶ:「A、、、、んっ」
頬にしのぶ様の唇がつく。
しのぶ:「ほら、もうこれで、Aは私の一部ですからね?」
花が咲くような誰よりも尊いほほえみを見せるしのぶ様。
そして私の体はとけた。
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作者名:胡蝶しのぶlove | 作成日時:2020年1月17日 15時