【A3】Forget Me Not…【茅ヶ崎至】 (ページ4)

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そんな日々を重ねて3ヶ月、Aは演技ができなくなったことからこの寮に少なからず居づらさを感じているようだ。

それは俺も同じで、Aの事故以来、稽古にも身が入らずAにかまいっきりの生活をしていた。仕事にもいつの間にか行かなくなっていた。そろそろ選ばないといけないのかもしれない。まぁ、俺にAが捨てられるわけないんだけどさ。

自分でもわけがわからないくらい、Aが好きなんだから。

「え？」

「だから、ここに引っ越して二人で暮らそう？」

俺は思い切って、遠い、俺達の事を誰も知らない田舎町のマンションの一室を安く借りた。相談はしていなかったが、きっと忘れてしまうと思ってのことだった。

事後報告にAは驚いていたけれど、最後は笑って首を立てに降ってくれた。

それから俺達は

劇団をやめ、大好きなゲームも売って、最低限の荷物だけを引っ提げ、一時間に一本しかないどう考えても赤字の電車に乗り込む。

貯金を切り崩しての生活になるが、Aがハッキリと覚えていられるうちは、できる限り側にいてやりたい。

全部捨ててでも。