今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:7,195 hit
小｜中｜大
12 ページ12
.
ん…？
何でこんなとこで寝てるんだ…？
窓から薄明かりが差し込んでいる。
今何時だ？
「ねぇ、A起きてよ 風邪引く」
なんだか頭がぼーっとするし目が腫れてる感じがして視界が少し狭い。
何だか夢見が悪かった気がする。
「いい子いい子…」
「いや、撫でて欲しいわけじゃないんだけど」
しょうがないなぁ…
Aを抱き起こすと布団まで連れていく。
ちょっと痩せた？
心なしか軽く感じる体を布団へ寝かせ、隣へ並ぶ。
Aの頬の香りを感じつつ、もう一度夢の世界へと旅立とう。
嫌な夢なんて忘れてしまえばいい。
今までもそうして来た。
今まで？
あれ、何か忘れてる？
「ん…ぅ…い、たる…」
「んー？…なんだ寝言か」
ふとAの顔を見やると、ポロポロと涙が頬を伝っている。
怖い夢でも見てるのだろうか。
ぽつりぽつりと俺の名前を呼んでいる。
「A、ここにいるよ」
抱き込み、額にキスを送ると
安心させる様に頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫だよ。
Aには俺がずっとついてるからね。
たとえAが俺を忘れちゃったとしても…。
ずっと…。」
微睡む意識の中、涙を流すAの口角が、ほんのりと上がった気がした。
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真鳥まこと(の) | 作成日時：2018年11月27日 17時
