12 ページ12
「...」
「...変、ですかね」
お母さんの病院の帰り道、思い切ってイメチェンをしてみた。
腰ほどまであった長い髪の毛はばっさりとセミロングの長さに。染めたことのなかった真っ黒の髪の毛は、明るい茶髪になった。
「...変、ではない」
「...なら、よかったです」
「ただ、見慣れないな」
そういうと寝室に入っていった藍沢先生。たぶんこれからお風呂に入ると思う。私は作りかけの夕食をコトコト煮る。
この家のキッチンに入った時、私は驚いた。
なんていったって、何もないんだ。だから、私は持っていたお金で必要最低限な調理器具をそろえた。
「うん、いい味してる」
ここにきても変わらない味。
私はスープをお皿によそると、テーブルの上に並べてセッティングをする。すると、シャワーあがりの藍沢先生が髪の毛を乾かしながら、椅子に座った。
「...いただきます」
向かいの席に座り、二人でただ静かに食べる。斜め前にあるテレビの電源を入れてただ眺める。
「...大学はいつから行くんだ」
「再来週から通います。一応二週間は自宅安静らしいので」
そういいながらも色々なところに出かけてしまっているけど。
明日あたりはゆっくり休もう。流石に体も持たないかもしれない。疲れたし。
「寝室にある医学書って、読んでも大丈夫ですか？」
「好きにしろ」
今朝目が覚めて気が付いたんだけど、藍沢先生の寝室には様々な種類の医学書がおいてあった。特に最近では脳外科に進んだからか、脳関係の本が多く置かれている。
脳外科で思い出したけど。
「お母さんが、翔北に転院するって聞いたんですけど」
「らしいな。西条先生の計らいだそうだ」
「...そういうことですか」
お父さんと大学の同期である西条先生とは家族ぐるみでかかわりがあったため、おそらくいろいろなことを配慮して、翔北に移すのだろう。
「翔北のほうが設備はしっかりしいてますし、お母さんのことよろしくお願いします」
「あぁ。担当医は西条先生だ。問題はないだろう」
「ですね」
本当に、翔北の人たちには家族そろってお世話になりっぱなし...。
感謝で胸が苦しくなるくらい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 823人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - 紺碧さん» いつも楽しく見させてもらってます！！あの、新しい夢小説のリクエストってしても大丈夫ですか、？ (2022年2月2日 14時) (
レス) id: 6d95e2742f (このIDを非表示/違反報告)
レー - 聞いていいですか？ (2021年3月13日 13時) (レス) id: e2fca41a38 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん - 続き楽しみにしています！ (2020年6月25日 18時) (レス) id: 5037ca489f (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます(´∀` これからのストーリ楽しみにしてます！！ (2018年7月24日 4時) (レス) id: 96ffb2a076 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新楽しみにしています！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月10日 12時) (レス) id: 1f5bab3162 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mono | 作成日時：2017年8月28日 23時
