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[白石side]

_「成田市消防よりドクターヘリ要請です。アパート火災による重症患者が多数出ています」

その言葉に私たちはうなづくと、橘先生は「出動します」と言い受話器を置いた。

今日のフライト担当の冴島さん、森本先生に三井先生が走って初療室を出て行った。


フェローシップを終え、藍沢先生は翔北の脳外科に進んだ。緋山先生は青南周産期医療センターの救急へと進んだ。

私と藤川先生は、そのまま翔北のフライトドクターとして働いている。

皆がそれぞれバラバラになった。


_「重症患者三名ヘリで向かいます。7歳の女の子、50代の男性、20代女性です。7歳女の子から順に運びます。のち、ランデブーポイントにて合流し運びます」

私は気合を入れなおして、ヘリポートまで走って向かった。

「お願いします」
「はい!」

女の子を移すと、三井先生が残って、冴島さんと森本先生は走ってヘリへと戻っていった。


7歳の女の子も一酸化炭素中毒になりかけていて危ない状態だったけど、素早い処置にてなんとか命をつなぐことができた。

「50代男性、意識レベル300。心肺停止いてから5分が経ってます!」

森本先生が心マをしながら初療室に入ってきた。


「...波田先生ッッ!!」

そこに横たわっているのは、成田市にある救命センターで働いている波田先生だった。

私たちは急いで処置を進めるが心臓が動く気配はない。

「...腹部内出血がかなり多いわ...」

ただの熱傷じゃないという。三井先生がCTのモニターをみながら悔しそうな顔をしてつぶやいた。


「波田先生!!あなたには救う患者がもっといるでしょう!!

そういいながら森本先生と交代して処置を行う橘先生。初療室には、心肺停止を告げる音がずっと鳴り響いている。

すると、扉が開いて次に運ばれてきた女性にももちろん見覚えがあるわけで。


「波田Aさん、20歳。つい先ほどまで意識はありましたが5分前に落ちました」

その娘の波田Aちゃんには、私たちも思い入れがある。


「森本、白石、三井はそっちにいけ!」
「はい!」

橘先生の指示に、私たちは隣のベッドに移されたAちゃんを見る。すぐにハサミで服を切っていると、ピ――――――と鳴り響いていた音が止まったことに全員が手を止めた。

「波田守さん、18:50分」

その言葉に私たちは全員が手を合わせた。


「娘さんだけは、助けるぞ」

そういった橘先生の瞳には、涙が浮かんでいた。

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なの(プロフ) - 紺碧さん» いつも楽しく見させてもらってます!!あの、新しい夢小説のリクエストってしても大丈夫ですか、? (2022年2月2日 14時) (レス) id: 6d95e2742f (このIDを非表示/違反報告)
レー - 聞いていいですか? (2021年3月13日 13時) (レス) id: e2fca41a38 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん - 続き楽しみにしています! (2020年6月25日 18時) (レス) id: 5037ca489f (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます(´∀` これからのストーリ楽しみにしてます!! (2018年7月24日 4時) (レス) id: 96ffb2a076 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみにしています!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2018年3月10日 12時) (レス) id: 1f5bab3162 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mono | 作成日時:2017年8月28日 23時

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