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「なんだか藍沢先生戻ってきたら、空気感も戻ったっていうか...」

そう肩を落としながらいう横峯先生に頷く。

「うちのシニアであんだけ厳しく言ってくるの藍沢先生しかいないからね、しょうがないよ」

そういうと何故か遠くを見つめる彼女に私は首をかしげた。

「でもさ、藍沢先生と付き合ってるんだもんね赤本先生」
「まぁ、だからって贔屓される訳でもないしね。無愛想で仏頂面なのは昔からのだから慣れるしかないよね」

あはは、と笑うと横峯先生に穴が開くんじゃないかってくらい見つめられた。

「な、何?」
「恋してる顔だな〜って」
「うるさいな。横峯先生は?」
「今の所なーんにも」

恋したいな〜なんて背もたれに寄りかかる横峯先生をみながら、ランチのサンドイッチを口に運んだ。時計を確認するとまだ時間はあるらしい。

「お母さんのところ?」
「そ、最近体調悪いみたいだから顔出すだけでも」

行ってらっしゃいとにこやかな笑顔で横峯先生に見送られて私は脳外科の病棟へと足を進める。


コンコンと扉をノックして、病室に入る。

ついこの前まであんなに元気だったのに、と何度も思ってしまうが仕方がない。酸素量の調節をしてやり、私は近くの椅子へと腰を下ろす。


_「あと半年、体の限界が来ればいつが最期になってもおかしくない状態だ」


彼が言ったその言葉がループする。

本人も理解しているらしく、身支度ではないが何かせっせとしんどい体を起き上がらせて何かをしているのは知っているけれども、それは私も黙っていることにした。


コンコン...

控えめなノックの後に病室に入ってきたのは藍沢先生だった。

「いたのか」
「昼休憩でね」

すると彼はポケットから何かを取り出してテレビ横へとおいた。

「それは?」
「トロントからの土産だ」

可愛らしい絵葉書とキャンドルだった。何とも彼にしては可愛らしいチョイスと、母にお土産を買ってきたことに頰が緩んだ。

「ありがとう」
「...次帰ってきたときに、土産を渡せるかわからないからな」
「そうだね、喜ぶよ」

旅行ずきだった母にとったら、とても嬉しいことかもしれない。

私は、シワシワで細くなってしまった手を握った。

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真衣(プロフ) - 続きが気になります 更新しないんですか?これからも頑張ってください (10月2日 22時) (レス) id: b2ca3dc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか? (8月21日 2時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki(プロフ) - いつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張って下さい! (2018年11月4日 23時) (レス) id: 2709160c1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおいろ | 作成日時:2018年10月20日 17時

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