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「あれなに?」
『
上の男の子は綾人、下の女の子は雫、二人と手を繋ぎながら屋台を横目に山車に向かって指差す綾人に教えてあげる。ここまで車で1時間ほどで辿り着いた道のりに子供達もぐずる事はなく、二人は楽しそうにしておりギュッと手を握る。彼方此方に行きたがるので迷子になられては困る、なんならリードを付けたい気分だ。
道中では、二人が食べたがる物を買い与えそれぞれの手には綿飴と林檎飴がある。端の石垣に腰を掛けながら二人が食べるのを見つめながら姉に写真を数枚送って、食べ終わったのを見計らって再び歩き出した。
しかし、楽しい時間は直ぐに終わり祭りの会場は地獄と化した。
『危ないッッッ!!』
山車が傾きそのまま民家を破壊し突っ込んで行く様子を横目に、飛び散る木片が子供達に当たらないように庇うと微かに身体に熱さを感じた。何処かで掠ったようだがコチラ側に倒れてこなかったのが幸いだ、子供達には怪我はないようでホッとしていたが恐怖のあまりに泣き出してしまった。
『雫、泣かないで、苦しくなっちゃうから』
綾人の頭を撫でながら雫の背中をさする。喘息を患っている雫にとって泣く事はあまりお勧めできない、綾人は涙を直ぐに拭って「雫!!泣いちゃダメ」とすでにお兄ちゃんの表情をして抱きしめていた。私は綾人と手を繋ぎ、雫を抱きかかえながらその場から離れて駐車場を目指して歩いていると、そこには救急車と消防車が止まっていた。
「こちらに避難をお願いします!!こちらに避難をお願いします!!」
どうやら駐車場が避難場所として扱われるようで、私たちも列に並んだ。そこには泣きわめく子供、怪我をしている人が大勢いて、私は顔をしかめた。事故箇所は狭かったにせよ三車の付近には人が多かった為に巻き込まれたのだろう。
ここにいるのは自力歩行可能な患者、つまり現場には重症患者がまだ残っている。今直ぐにでも向かいたい気分だったが、腕の中にいる子供二人を見て私はギュッっと目を瞑った。
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笹原美桜(プロフ) - ネボーンじゃなくてREBOAじゃないですか?ドラマ沿いだと (2021年9月15日 22時) (レス) id: 9ad5622aaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - こんにちは、いつも楽しく読まさていただいています。誤字を発見したので、ご報告です。支持→指示だと思います。ご確認ください。 (2018年7月30日 7時) (レス) id: 4d27a7bcab (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - あおいろさん» 分かりました (2017年8月20日 15時) (レス) id: 3f08d45607 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - チナキンさん» ありがとうございます!!「」の前に名前を入れればいいのですが、入れていないのでものですみません。説明文で分かりやすいようにかけるようもっと頑張っていきたいと思います! (2017年8月20日 15時) (レス) id: 5cec4d6e77 (このIDを非表示/違反報告)
あおいろ(プロフ) - Rayさん» コメントありがとうございます。残念ながらただいま忙しい状況で、新しい小説を書く事は難しいと思われます。ですが、男主で案もいいと思いますのでかける環境になれば検討して行こうと思います。申し訳ございません。 (2017年8月20日 15時) (レス) id: 5cec4d6e77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mono | 作成日時:2017年7月27日 0時