勿忘草[コード・ブルー]

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私の夢は今も昔も変わらない、それは父のような医者になる事。

私の父は県内にある大学病院に勤める救命医で常に病院に篭りきり、家族よりも患者優先で家にいない日の方が多かったと今でも思う。

幼い頃の私はそれがどうしても悲しくて、何故友達のお父さんのように休日に遊んでくれないのだと駄々をこねた記憶もある。

しかし、それと同時に私の憧れだった。

自他共に認めるワーカーホリックだった父がよく言っていた言葉がある。

「本当は、人を助けに行きたいんだ」

父が求めていたのは病院に籠もり患者を待つ救命医ではなく、自らが現場に向かいその場で最善の手を尽くす医者だったそうだ。その頃から既に災害対策として、現地で治療を可能とする人材を国は求めており、そういった機構等も徐々に増えつつあった。

しかし父は「もう年だから次の世代に任す」と柔らかな笑みを浮かべながら語っており、結局その道を歩むことはなかった。

父はもう居ない、人を助けて命を守った。

だから私はこの職業を選んだ。


”フライト・ドクター”


初めて彼らを見て、助けてもらった時、心から感動した。

あの日のことは九年も前の話だというのに、今でも私の記憶の中にあり続けている。

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